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反エアキス宣言?!ただの握手で何が悪い!

フランスやイタリアなどでは友人同士の挨拶で、相手に頬を近づけチュッと音を立てるエアキス(Bisous、ビズ)が行われます。英国はこれらの国の隣国として歴史的に習慣に接触してきたわけですが、根強い戸惑いと反感があるようです。英国人としてエアキスといかに向き合うべきかを声高らかに宣言する、こってり英国テイストの内容でお届けします。

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◎”Mwah? Nah!”(チュ?はダメ!)

ウィスキーバーの女性店員が店主によるエアキスをセクハラであるとして訴訟を起こしました。判決は棄却。英国では一般的ではないにせよ隣国のフランス等ではエアキスが挨拶の文化として受け入れられている事、そして訴訟の対象となった状況を検討した上での慎重な判断であったようです。

しかし、この判決によりエアキスが市民権を得たと捉えるのは大きな間違いでしょう。英国におけるエアキスは確立された習慣ではなく、共通認識が薄い為リスクが大きいからです。どの程度親密な人であれば、どの程度のエアキスを何回くらいすれば問題にならないのか。そつなくこなせる英国人はなかなか居ません。その意味でエアキスは危なっかしい行為(①fraught manoeuvre)です。若者であれば同時に強く恋愛要素のないハグにより、こうした問題を解決してしまうわけですが、大人の場合は安全線の内側をとり(②err on the side of caution)、エアキスなどしないのが良いでしょう。

一般的な場面でさえこの調子なのですから、職場でのエアキスについては言うまでもなく、やらないの一択でしょう。職場でこの手の親密さは不要ですし、そもそもただの握手で何も不足はないはずです(③suffice)

□本日のポイント■■■

①fraught manoeuvre/危なっかしい行為

fraughtは何かを積み込んだという意味で、withと一緒に使われます。fraught with dangerといえば、危険に満ちたという事になります。単体では積み込まれたものを明示しない言い方で、不安に満ちたとか危なっかしいという意味になりいます。中身を明かさないようなものは大抵ネガティブなものですよね。

🔳Unregulated by well-established rules, a kiss becomes a complex, fraught manoeuvre
(試訳)しっかりと確立したルールがなく規制がされていない点でキスは複雑で危なっかしい行為だ。

②err on the side of caution /安全線の内側をとる

errは道を外れるという意味です。そうやって道を外れるのであれば、無難な方に寄るという大人の行動を指します。

🔳 Older generations are wise to err on the side of caution.
(試訳)大人の場合は安全線の内側をとるというのが賢明であろう。

③suffice /十分である

決して望むもの全てでないにせよ、最低限どの要求は満たされるという意味です。sufficeの代わりにdoを使うカジュアルな表現もありますね。

🔳 The customary handshake should suffice.

(試訳)通例となっている握手で十分事足りる。

◇一言コメント

タイトルのMwahはキスの際の音を表す言葉で、日本語では”チュ”みたいな位置付けでしょうか。発音は”むわ〜”です。文化の違いを感じます。
昔短期間フランスの会社に机を置かせてもらって働いた際に、女性マネージャーが朝出勤すると従業員一人一人の席をまわってエアキスで挨拶するのを見て驚いた事を思い出しました。親愛さを表現する事を推奨するカトリックの教えにルーツがあると言われていますが、やはり英国人ならずとも戸惑うものでした。


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