戯れにSuno AIでタクヤさんの怪文書を歌詞にして作曲したら、色々アンニュイになった話

いやもう、淫夢というか、淫夢を無邪気に楽しんでた環境、時期、俺は二度と帰ってこないんだろうな、って。

Youtubeで作曲AIとしてSuno AIというものを知った。作曲AIに関してほんの数ヶ月前までは実用に耐えないという評価だったのが、だいぶに人口に膾炙しているようだったので、無料版でいくらか作れるということもあり、試してみることにした。

さて、歌詞が入力できるというが、何を入力してみようか。私にも個人的に書き溜めた日記などがあるが、それらは散文的で歌詞には向かない。なるべく面白い文章がいい、ん、面白い文章、怪文書といえば、タクヤさんじゃないか?

と言った具合で、ゲームのレベル上げをしながらタクヤさんの怪文書として最も名高いウルトラマン拉致を歌詞として曲を生成すると発想するには、3分とかからなかった。

一体、どんなシュールな曲が展開されるんだろう。さぞ面白いだろうなあ。面白いに決まってる。だって原曲だってあんなに面白いんだもの。初めて聞いた時は腹抱えて笑ったんだぞ。

適当に登録を済ませる。
さて適当にネットで拾った文章をコピペして、いざ生成だ。2曲できるのか、ほうほう、どれどれ…

聞こえてきたのは、アニソンらしきイントロ、VOICEROID崩れの人工音声、そして怪文書の歌詞だった。どれも全くお行儀がいい。無難に生成されている。全部80点に聞こえる。でも、なんだろう、原曲の自動作曲ソフトとは圧倒的に高性能なのがわかる。でも、なんだろう、聞けば聞くほど、私の中にあった期待、思い出、タクヤさんの咆哮が洗い流されていく。
あ、そうか。淫夢はオワコンで、俺は社会人何年目かで学生じゃないし、1日中淫夢漁れるほどの時間もそうはないんだった。
そこには小林幸子が千本桜を歌うかのような違和とシュールさ、気恥ずかしさすらあった。
自動作曲ソフトは何もかもが向上した代わりに、確実におもちゃとしては三流となった。

悲しくブラウザのページを閉じる。何が悲しいんだろう。きっと淫夢というアダグラな要素を、生成系AIという高尚なものに放り込んだら何か面白いものができると期待してたんだろう。あるいは、自動作曲ソフトがもはやおもちゃになり得ないことへの失望だろう(同様のことは翻訳ソフトにも言える)。そして、あるいは、もはや二度とウルトラマン怪文書の原曲のような名曲は生まれえず、その環境で過ごした時間も帰ってこないということへの絶望だろう。

R.I.P 淫夢。でも俺は生きていく。

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