たたかれてこそ
自民党総裁選5回目の挑戦を経て、ついに日本国首相の座に就いた石破茂氏。実は10年前、長浜市役所新庁舎竣工式記念式典にお越しになり記念講演をされているんですよ。
先日とある席でお会いした前長浜市長。その時のことを「私が『ぜひ石破さん、長浜市役所の竣工式に来てください』と頼んだら、『そんな全国の市役所の竣工式に大臣が全部出るわけいかないでしょ』と言われて、『いや地方創生のモデル黒壁の町を見ずして、地方創生大臣は務まらないでしょう。よそは全部断って長浜だけ来てください』と言って来てもらったんです」と。
「それで竣工式の後、黒壁へお連れしたらえらく感激されましてね。黒壁で10万円くらい買い物されて、あこれ、まさか(どこぞの知事さんの例のように)市で払うんかいなと冷や冷やしてたら、ご自分のクレジットカードで会計されてほっとしました」などというエピソードも披瀝。
そんなこともあってか、石破さんは後に出版された「日本列島創生論」という著作の中で、竹下内閣のふるさと創生事業で「1億円を有効に使った自治体」として、真っ先に次のように書かれております。
「たとえば滋賀県の長浜市。石田三成が生まれた石田町があるところですが、他にも戦国時代にいろいろな物語が生まれた場所でした。長浜市は1億円を使って、市の歴史的教訓、歴史的人物の研究をしてきたそうです。派手さには欠けるかもしれませんが、地域にとって必要な文化事業に投資したわけです」
実際の使い道はちょっと違うんですけど、「石田三成のPR→大河ドラマの誘致」まで考えて、前市長がそう吹き込んだのかも。政治家たるもの嘘も方便か。義を重んじるもやや人望に欠け、石田三成にも擬せられる石破総理。野党からも与党内からも石破氏を叩いて渡ろうという政界関ケ原合戦。いよいよ明日投開票日。