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【CINEMA】"HIPGNOSIS - The Story of HIPGNOSIS"
映画『ヒプノシス レコードジャケットの美学』を観ました。
1970年代リアルな洋楽ファンには有名なアルバム・ジャケットを手掛けるクリエイター集団の物語。主要メンバーだったストーム・トーガソンとオーブリー・ハウエルの二人の出会いからプロダクション設立、そして制作過程でのやりとりなどを中心に、ロック史上に燦然と輝く名盤の数々…ピンク・フロイドの『原子心母』、『狂気』、『炎』、『アニマルズ』、レッド・ツェッペリンの『聖なる館』、『イン・スルー・ジ・アウト・ドア』、ポール・マッカートニー &ウィングスの『バンド・オン・ザ・ラン』、『グレイテスト・ヒッツ』などのジャケット制作秘話など、実に興味深いエピソード満載の101分でした。
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私が広告会社に勤務していた頃に、ほんの僅かですがいわゆるクリエイティヴの制作過程でのクリエイター達のやりとりに立ち会っていた経験から、思わず頷いてしまうやり取りもあり、また時代的にCGなど無く、ほとんど実写と着色、コラージュで仕上げるアナログ手法満載の時代を私も過ごしていたので、撮影現場での苦労話には大いに共感するシーンも多かったです。
クリエイティヴに正解はありません。関わっている人達がどれだけ納得して作品を仕上げていくのか、そこには様々な人間模様が展開されます。一つの時代を作った制作者集団の思い出話集というだけでなく、洋楽ロックの歴史の中に確かな爪痕を残したという意味でも、語り継ぐに相応しい内容だったかなと思います。
この作品の配給・宣伝は何とデイスク・ユニオンでした。Good Jobです!。70年代洋楽ロック・ファンには必見の作品ですよ。