やるも地獄、やらぬも地獄の中での着地点
新日本プロレスの興行再開のアナウンスがあった。
と、"再開"といってはみたがいや待てよ。
先週分は東京都の要請による後楽園ホールからの有観客での興行の自粛、土曜の横浜スタジアムも緊急事態宣言の影響による延期なので、選手のコロナ感染による影響では無い。
タイミングが重なったせいで「コロナ感染の影響による中止と延期」という印象を持ちがちではあるが、時系列を確認すれば違う。公式記録(?)としては、都や国の要請に則っての英断であった。公共の福祉を考慮した優良企業であることを私はわかっているよ。惑わされてないよ。
確かに「再開」といえば再開だけど実際は2週間なかっただけである。
2週間なかっただけなのに、こんなに「再開」という言葉がぴったりあてはまるし、ファンも「待ってました!」と歓喜するのは、いかに新日本プロレスの日々の興行数が多いかを物語っていると思う。
日々絶え間なく楽しみを提供して下さって本当に感謝している。
今日の興行再開案内では、会社から、これまで以上の感染対策の徹底とその具体的な方策、また感染した選手の状況や、どういった選手が隔離措置をしていたか、また隔離措置をとっていた選手への配慮(体調面やトレーニングしていないことによる今後の試合への出場の影響)等、非常に親切丁寧に説明がしてあった。
また、ファンの心理を考慮し、今後自社に置きうるかもしれないリスクも考慮された案内文であった。こんなの出されたら文句はつけれないだろう、と感じた。(それでも変なクレーム付ける人はいるだろうが…)
この決定とアナウンスに至るまでには相当の労力を費やされていたことと思う。
先日、矢野通選手のYou Tubeでも「今、会社はバタバタしているので(グッズ購入特典のサインの発送が遅くなる)」と言っていたことからもその様子が伺いしれる。
そりゃそうだ。会社側の人達の事を想像すると、、
感染した選手の体調は予測がつかない、もし万が一悪化したら興行してる場合じゃないよな、、中止にするにはいつまでに案内しなくてはいけない?そのためには決定のリミットはいつ?中止による損害はどれだけ?東京都や国の方針は今どんな感じ?やるためには何をどう進めなくちゃいけない?他に気にしなくてはいけないことは、、えっと…
想像しただけで吐きそうだ。
3月の仙台での興行中に大きな地震があった。しばしの中断の後に、安全が確認されたので興行続行されたのであるが、その日の棚橋弘至選手のバックステージでのコメント(興行途中でのコメント)が非常に印象に残っている。
やるも地獄、やらぬも地獄というか、難しい判断ですけども、まぁ…あのう…… 本当に先をね、先手を打って言わせてもらうと、ほんとに今日、この大会を開催継続が今後、問題になってくるかもしれない。まあ、即刻中止でよかったかもしれない。 もうしっかりね…難しい判断ですが、まあ今日ほんとに、 無事に最後まで終わることを祈ります。
今コロナ禍においては、常にこういう思考が会社も選手もつきまとっていらっしゃるんだと思う。
何かひとつだけに偏ってはいけない、今最善の着地点はどこか?を常に探りながら悩んでいらっしゃるんだろうな、と思い知らされた。
ファンが見えないところで、多大なる労力とかマンパワーが費やされていることが想像に難くないので、そういう部分も含めてレスラーだけではなく「新日本プロレスリング株式会社」という企業も応援していきたいとあらためて思った。
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