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チームワークは大事にするけど、「みんな仲よし」って関係にはならなくていい
「みんな仲よし」と聞いて何を思うだろうか。いいと思う反面、”みんな仲よし”の集団には、同質性が高まっている可能性がある。同調圧力によって、ちょっとした違いが「裏切り」となり、仲間から排除されるのではないかとおびえる日々・・・。仲間を思う気持ちは大切だが、多様性の時代に、自分の気持ちを隠してまで“仲間”に合わす必要はない、と私は思う。
著書「こども六法」でも有名な山崎聡一郎さんは、「10代の君に伝えたい 学校で悩むぼくが見つけた未来を切りひらく思考」(朝日新聞出版)の中で、次のように書いている。
生きていく上で必要なのは「仲よくする力」より「誰とでも共同作業ができる力」です。社会に出たとき、誰かと協力しながら目的を達成する力は、会社や地域のコミュニティなどあらゆる場面で必要になります。ですから、学校での集団行動のうち、大人になってからも必要なのは「誰とでも共同作業ができる力」であって、一緒に仲よく遊ぶ力ではありません。
また、前野隆司さんの「幸せのメカニズム」(講談社)では、アメリカの小学校において、「好きでない人とは仲良くしなくていい。ただし、好きでない人の意見も好きな人と同様に尊重し、たとえ嫌いな人とグループになっても、その人と協力して質の高い成果を上げる知性を身に付けるべき」と教えられていたエピソードが紹介されている。嫌いな人がいたら、別に無理に仲よくならなくてもいい。同時に、悪口、陰口も言わなくてもいい。
そんなこんなで、時間と場面を限定した人間関係を形成する練習として、授業でグループワークトレーニングを取り入れている。私がグループワークで徹底していること・・・
①意見は否定していいけれど、人格は否定しない(意見は人に対してじゃなく、意見に対して言う
②「人」「努力」を傷つける言動と行動を抑制
一人でいたい子が、一人でいたい時に安心して教室で過ごせるクラスを目指してます。
じゃあ、また。