メガバンクって実際どんなとこ?
メガバンクの内情って実際どうなっているの?
そんな疑問をお持ちの方が多いような気がしたので書いてみました!新卒でメガバンクを目指している方や実際お勤めの方もおもしろ半分で見てみて下さい。
就活中っていろいろな情報が飛び回っているので根拠なく出回っている情報とかもよくありますよね。正しい情報をしっかり掴んで、自分自身が行きたい会社からぜひ内定を勝ち取ってくださいね!
私の前職であるメガバンクについて5年間働いた中で感じたことや見たことを共有できたらと思っています。支店と本部両方で働く機会がありましたので若手目線から見えていた世界をぜひ発信していきますので、会社選びの参考になれば幸いです。大きなトピックとしては以下をお話しようと思います。
① 支店業務の実際のところ
② 本部での業務について
③ 人事異動や転勤のお話
④ メガバンクの給与実態
① 支店業務の実際のところ
まず初めに銀行を語る上で欠かせないのがやはり銀行の支店って実際どうなの?というところだと思います。メガバンクの支店は良く病む人が多い、収益目標が厳しくつらい、飲み会が多い、お局さんがウザいなどなどあまりいい噂を聞かないことが多いと思います(笑)
これについては当たらずも遠からずですが、各支店の悪いところを寄せ集めたらこうなる、といった感じだと思います。正直なところ、支店と一口に言っても大きい支店から小さい地方の支店までたくさんあり、各支店にいる人によってカラーが違ってくるので何とも言えないというのが答えになります(あまり答えになってなくて申し訳ないですが)。
ですが、いえるのはこういう悪いイメージの支店は今ではかなり減ってきています。確かに一部ではそういう雰囲気の悪いところもあるかと思いますが、今の時代、パワハラやセクハラがうるさくなっており、上司もそのことを認識しているため詰められたりして病む人はかなり減っているのが現状です。とはいえ、やはり病んでこなくなる人はいますがそれはどこの会社も同じでしょう。
後間違いなく言えることは、コロナにより社内の飲み会は圧倒的に減りました。以前は新入社員歓迎会や人事異動のたびに、支店全体で飲み会をやるというのが風習でしたが、今ではそのようなオフィシャルな飲み会はやられていないようです。
辞める人が多いのは事実ですが、最近辞めていく人はつらいから辞めるのではなく、銀行員としてずっとこのまま残るのはどうなの?とか給料低いよなあとか、転勤が嫌だったり、人事異動のリスクあるよなと感じた私のような人が多いです(笑)
勤務時間については朝はだいたい8時に始業し、終わるのは18時~19時が平均で遅いときは20時くらいです。残業時間削減の観点から早く帰れという圧力があるので外資やIBDと違って異常に遅い時間まではやりません(本部はまた違いますが)。
まとめるとこんな感じです↓
・パワハラやセクハラに対してうるさくなっているため詰められて病む人はかなり減っている
・コロナにより支店内の飲み会は圧倒的に減った
・辞めていく人は多いが、つらいからではなく銀行組織に対するネガティブな感情から
・勤務時間は平均して朝8時から18時もしくは19時くらい
② 本部での業務について
次は本部の業務ってどんなことしているの?という疑問にお答えします。銀行はご存じの通りかなり大きな組織です。金融機関の中でもおそらく最も幅広く金融業務を手掛けているといえるでしょう。世間的に言われている法人の融資業務は実はごく一部にすぎません。その証拠に銀行組織において法人融資で稼いでいるのは全体の収益の3割程度(R&C + JCIB)です。下に三菱UFJ銀行の直近決算資料を載せました。
全体資料を見たい方はこちらもご覧ください。
上記のグラフを見るとわかるように市場での投資運用やプロジェクトファイナンス、M&A等の金融業務で大半を稼いでいることが見えてきます。
これは銀行員時代に聞いた情報ですが、人員の割合も本部と支店で実は7:3もしくは8:2程度だと言われています。圧倒的に本部のほうが配置している人員も多く、かなり人材を投資していることがわかります。
本部の部署を業務内容で分けると次のようになるかと思います。
・営業本部(大企業の法人営業部隊)
・プロジェクトファイナンス(海外インフラ投資等のクロスボーダー案件)
・投資銀行(M&A)
・市場(バランスシート運営や投資運用)
・デジタルサービス(デジタルコインやフィンテック関連)
・経営企画部(銀行全体の経営戦略を立案)
・人事(銀行では花形部署で人事部は出世への登竜門との位置付けです)
その他にも細かく様々な部署がありますが、大まかな業務で分類するとこんな感じでしょう。
もし銀行を本気で志望している方がいれば、法人営業ももちろん志望理由に書けますが、このような金融サービスをやりたいということを記載するのも十分志望理由としてはありですね。その場合はなぜ銀行でやるのかを明確に語れるようにしておきましょう。
ちなみに本部の忙しさは部署によってもまちまちですが、基本的には支店よりも労働時間は長くなると思ってください。ですが、本部は全体的に人の雰囲気が柔らかいのが特徴です。フラットで上司に対してもいろいろ意見しやすい環境にあると言えます。支店は体育会系の人が多く、営業マンタイプなのに対して本部はどちらかというとシュッとしたスマートな人が多い印象です。体育会系の人はもちろん支店の雰囲気が合うと思いますし、逆に体育会系じゃない人は本部の雰囲気のほうが好きかもしれません。どちらもそれぞれ良さがあります。
③ 人事異動や転勤のお話
このトピックも皆さん気になるところではないでしょうか?
転勤があるのは知っているかと思いますが、希望がどのくらい通るのかとか、どのくらいのスパンで人事異動があるのか等々。箇条書きで気になりそうなポイントを記載していきます。
・人事異動のスパンは2~3年に1度
・希望が通るかどうかは人による
・人事異動で行く先によってある程度出世コースにいるのかそうでないかがわかる
・海外への異動は最近数が減っている
人事異動の希望が通るかどうかは人によるというのは、ここはかなり難しいところで、自分がいる部署にもよります。考え方としては、
・自分がいま所属している部署でどのくらいパフォーマンスを出しているか
・自分が所属する部署は銀行組織の中で力のある部署か
・人事部が想定しているキャリアと自分の希望部署とのギャップ
最初の項目はわかりやすいですね。自分自身がしっかり成果を出していれば当然、希望も通りやすいです。上司も希望が通るように人事部へ推してくれるので人事部はその意見を反映させようとなるわけです。
2つ目はこれは行内の政治的な問題です。銀行含めおそらくどの会社でも社内的な政治は避けて通れません。自分がいる部署の行内ポジションというのは言い換えると、自分がいる部署のトップは銀行内で言うとどのくらい偉いのか、ということになります。例えば、丸の内や日本橋などの中枢にある大きい支店の支店長と小さい地方の支店の支店長、どちらのほうが人事部と対等に話ができそうでしょうか?言い方を変えると、どちらのほうが行内で上のポジションにいると思いますか?そうです、前者ですよね。例えば、東大の偉い教授が政治家に対してもっと研究費を回してくれと頼むのと、どこか地方の無名な大学の学長がいうのではインパクトや説得力に違いが出ると思いませんか?
実は銀行内でもこういうことが起こっているのです。本部や大きい中枢の支店にいる人のほうが正直希望は通りやすいと思います。もちろんそれだけではありませんが、要素としてはあると思っています。
最後の項目はなかなか厄介です。聞くところによると就活時の面接の時点である程度、人事部の中で個々人に対して描くキャリアイメージが存在しているそうです。例えば、立教大学野球部主将のAさんは支店で営業のキャリアを、東京大学院卒のBさんは営業を一通りやらせた後は本部の経営企画で戦略立案を担ってもらおう、といった感じです。将来的にずっとは支店で営業はしたくないなあ、本部でまったりやりたいよという希望の人が一方で人事部としては支店でがっつり営業やってもらいたいと思っていた場合、本人の希望と人事部が思い描くキャリアにミスマッチが生じています。こういう場合は人にもよりますが、希望が通らず人事部の思い通りにさせられてしまうといったケースもあるようです。
この話は銀行を辞めていく何人かに聞いたことがある話で、銀行は辞めるとき最後に希望すれば人事部と最後面談することができます。面談では終活時の面接のフィードバックや人事部がどう評価していたかを最後に話してくれるそうで、ある人は、「君にはずっと支店で営業頑張ってもらいたかったんだけどなあ」とコメントされたそうです。その人は本部に異動したかったのにずっと支店への異動を命じられており、それで転職を決意したそうです。彼は「おれ辞めてよかったわ、このままいたらずっと希望通らなかったかも」とこぼしていました(笑)
④ メガバンクの給与実態
最後のトピックです。これは一番気になるところでしょう(笑)
自分自身や先輩に聞いた話を元に表を作成してみました。どうでしょうか?思ったより高い?低い?
個人的にはメガバンクの給料はとても低いと思っています。証券や保険といった他の金融機関と比較してもおそらく低めなのではないかと思います。学部卒だと7年目(院卒だと5年目)の昇格のタイミングやっと1,000万円弱、残業次第でなんとか1,000万円の大台に乗る、といった具合です。正直入社したばかりのときはメーカーよりも低いんじゃないでしょうか?
※残業代に関しては平均である月30時間から40時間を想定しているので人によっては前後する可能性ありです。
昇格した後も役職が上がるまでは基本的に大きく上がりません。30代半ばから後半にかけて課長に上がり、次長、部長、支店長と上がるにつれて大きく上がりますが、支店長で2,000万円くらいだと思われます。
ただ一方でストレスに関しても証券や保険よりも低い気がしています。そういう意味では金融機関の中でも最もワークライフバランスがいいかもしれません。
以上、4つの項目に分けてメガバンクの内情についてお話してきました。最後に個人的な意見として銀行のいいところまとめると、
・銀行は金融業務の幅が広く、金融知識の勉強になる
・世間的には給料はいい方
・同期が多く、友達が増える、綺麗な人も多い(笑)
・基本的にはいい人が多い
・ワークライフバランスがいい
といった感じですね。銀行は辞めましたがいい職場だと思っています。今でも銀行時代に仲良くなった人とは良く飲みに行きます。当時の部署の上司も銀行最終日にはなんと寿司をおごってくれました(笑)。とてもいい上司、同期に恵まれて楽しい銀行員生活だったと思います。
銀行は転職するにも意外とつぶしがきくので、会社選びに迷っている人にはけっこうおすすめですよ!ネガティブなうわさも良く飛び交ってますが、情報源がわからない怪しい情報に惑わされないようにしっかり見極めてくださいね。こんなにES書いて出したのに書類選考すら通らない、面接でうまくいかなくて社会から否定されているみたいに感じる、といった気持ちになって終活はつらいですよね。でも最後は必ず、良い結果が待っています。素敵な会社と巡り合えるよう最後まで悔いのないように就活頑張ってください!