一つの場所に身を置くこと
25卒で就職活動中です。就職先を決める覚悟がなく、1年以上ずるずると就職活動を続けていました。優等生ではなかったけれど、なんとかオチがつきそうです。
3社から内々定をいただいていて、検討するお時間をいただいています。1つは東京勤務、1つは地方、1つは全国転勤。勤務地にこだわりはないのですが、一生暮らしていく街が決まるかもしれない人生の分岐点だと思うと、決断を下すのにひるむ気持ちもあります。
今日は、東京都知事選挙を通して考えた、1つの場所にとどまることの意味についてつらつらと書いていきます。
もともと私は、一生同じ場所に止まって生きていく覚悟がなく、できれば転勤の可能性がある仕事に就きたいと思っていました。暮らす場所も仕事も、選ぶことが怖かったのです。言い換えると、選ばなかったもの全部を手放すことが怖かったのです。今もまだ勇気は出なくて、どの企業の内定をお受けするか毎日迷っています。東京で生きていくかもしれない、という可能性から、今回の東京都知事選は都民でないにも関わらず自分事として見守っていました。
関西在住の私にとって、基本的に東京都知事選は直接関わりのないものです。同日にあった鹿児島県知事選と同じくらい遠い話です。ですが今回は、今後自分が暮らし、働くかもしれない街の首長を決める選挙です。どんな政策が実現してほしいか、どんな価値観の人が都知事になると自分は暮らしていきやすいのか。色々なことを考えながらニュースを見ていました。私が知事になって欲しかった方は落選してしまいましたが、意志が強そうな方なのできっと4年後にも立候補されるのではないかと期待しています。
そんなことを考えていると、1つの場所に留まることも悪くないと思えるようになりました。政治は長い目で見るものだから、数年おきに住む場所を変えていたら、自分が暮らす場所の政治を自分事として捉えることができません。腹を括って、たまたまのご縁で自分が暮らしていく街を育てていくことも人生の使い方なのだと思います。
この文章を書いている間にも、どの会社に入ることが後悔の無い決断になるのか、気持ちが揺れて不安に襲われています。どうすれば覚悟が決まるんだろう。社会に出て、自分の力で生きていくことが不安で、怖くて、一番安定した道を選びたい。一方で、やってみたいことがあって、不安定で貧しくてもそこに近づける道に進みたい気持ちもあります。願わくば将来の私が、「当時の自分にとってはベストの判断だった」と納得できていますように。