ネパールの餃子、モモの思い出
餃子というと、日本人に馴染みのある半月にくしゅくしゅとフリルをつけたような、あの形の焼き餃子がメジャーかと思う。
もしくは皮がもっちりした水餃子、蒸し餃子は知名度も高いし、ファンは多い。
どんな調理法であっても、それぞれの餃子の個性が愛おしく、食べるたび、その後のご機嫌を約束してくれる。
まぁとにかく、餃子が好きだ。
そんな餃子の世界の中でも、私の思い出に強く残り、いまでも見かけると必ず食べることにしている餃子がある。
ネパールの餃子、モモである。
モモは一見小籠包のような形をしている、蒸し餃子である。皮が小籠包ほど薄くないので、定義としては餃子に属すると私は解釈しているのだが、詳しい方がいたら教えていただきたい。
現地では水牛が餡に使われることが多いらしいが、チキンモモもよく見られる。
ソースや餡にスパイスを感じるのが、私たちの馴染み深い餃子と異なる点だ。
2003年、イラク戦争開戦間近の世界情勢の中、私は初めてネパールを旅した。
そこで出会ったのがモモである。
その前年にはインドのコルカタを旅しているのだが、もともと胃腸が強くない私は、インドの洗礼を受けて、食物不適応でひどい下痢と嘔吐を経験した。
旅慣れてくると、そんな不適応もマシにはなってくるのだが、それでも南アジアのスパイスたっぷり料理に適応できる自信があまりなく、ネパールでの食事もよくよく選んで食べようと思っていた。
そんな時、モモを初めて食べた。
チベットの文化の影響も受けているネパール料理は、中華料理っぽさも感じられる。モモはそのわかりやすい例ではあるまいか。
程よいスパイス感にモチモチの皮。
マイルドなソース。(これといってソースのレシピにきまりはないらしい)
そして丸っとしたルックスと、モモ、という可愛らし響き。
MOMO…
冒険心は強いものの、体調面での不安が強かった私にとって、モモの美味しさは心身に沁みた。
これなら食べれる。
すごく美味しい。
美味しいと思えたら、旅も楽しい。
ネパールが好きなった私は、それ以降計3回ネパールに渡ることになる。
日本でもネパール料理屋さんでモモを食べることができるが、旅の思い出にひたって、やはり毎度美味しく食べている。
日本人が慣れ親しんでいる餃子とはテイストが異なるが、ぜひ見かけたらモモを食べてみていただきたい。
また違った餃子の世界に連れて行ってくれるはずだ。
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