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海外のジャズ教本探検🎵日本の教本との共通点と違いが興味津々!


今年に入って、初めてジャズをテーマに研究会を開催しています。
きっかけは朝ドラのブギウギ。
ブギウギとブルースがドラマで日常的に登場するので、
その違いについて、先生方とご一緒に勉強しようと思い立ってすぐに実行!
これまでに集めた海外と日本のジャズ教本がこんなにあったとは‼︎と、
書棚からたくさんのジャズ教本を出して、何からどのように進めるかを大検討
米国のピアノ教本には即興を基本から学べるものが多く出版されていて
メインテキストはALFRED社のJAZZ PIANO を選択
その内容は、旋律とコードの2本柱で構成されていて
JAZZの基本と即興技法についての解説と例題がとてもわかりやすく、
新しい学びがたくさん🎵🎵 
ブルース教本(INTRODUCTION TO THE BLUES )を併用して
ブルースとブギウギについてだけでなく
基本のブルーススケールや様々な伴奏スタイルの学習にワクワク
弾きやすいフィンランドの子供向けジャズ教材を使って
簡単なスイングや即興の体験も新鮮✨✨
先生方の演奏ご協力に助けられながら
私も翻訳と沢山の教材演奏を楽しんでいます
私が初めてジャズを学んだきっかけは、米国のペースメソードという教本でした。
ペースメソードをもっと学ぶために参加したコロンビア大学のサマースクールでは
ジャズの授業は必修で
Bert Konowitz 先生がJAZZの授業を担当
初めての授業で大きなコーラ缶を持って現れた先生に驚き
日本人以外のクラスメイトの多くが机にコーラを置いていることにも驚き
先生のバッハ平均律1巻1番の素敵な演奏が
どんどん即興が加わってジャズに変身していくのに驚きと感動
授業の冒頭から教室はスタンディングオーベイションで鳴り止まぬ拍手
そんなexciting な経験から始まった生まれて初めて受けるJAZZの授業は
即興の基本的なルールを初めて知る大きな機会でした。
米国にはその後も行く機会に恵まれ
米国のピアノ教本をたくさん購入して、
教本研究の視点が広がったことをちょっと懐かしく感じるこの頃です
日本に翻訳出版されたジャズ教本の中でも、
リー・エバンス氏の著作は大作!
ピアノ教本 初歩のジャズ即興技法1-5と
クラシックからジャズ技法へ1-6はどちらもわかりやすいので
その一部分も併用して皆様と勉強しています
これはとても弾きやすいジャズスタイルとラグタイムの曲集
どちらも米国の楽譜で楽しい雰囲気の曲ばかり。
解説ばかりでは面白くないので、応用練習に取り上げた教材です。
私は、日頃、米国の教材の日本語版を使っているのですが、
ロックやジャズ風の曲がたまに出てくるのに
スタイルの基礎知識についての解説や応用練習教材が少なく、
今やインターネットでグローバルに教材を検索して購入できる時代だからこそ
日本語版にない秀逸な教材を知ることは、とても意味あることかなと感じています。
これは、イギリスのCristopher Norton氏の著作
初級から中級向けの様々なスタイルの短い曲集で、
ジャズ、ロック、ディスコ、レゲエ、ラテンなど
幅広くスタイルを経験することができます
著者がこの曲集を紹介するために来日したときに知りました。
多くが1ページのみの長さで、長くても見開き2ページの曲からなり
研究会では様々なスタイルを学ぶ教材として使っています
バンド演奏の音源付きになっているものも一部ありますが、
今は装丁も新しくなり、音源はないかもしれません。
バンド間での即興でのやり取りがわかるので、貴重な資料です。
これは、アメリカ合衆国の教本アドヴェンチャーシリーズの
日本語版とオリジナル版のあるページです
ジャズスタイルの曲が弾きやすいアレンジで数曲入っていて
バスティン、ペース、アルフレッド、メインストリームスと共に
研究会ではよく取り上げています
オリジナル版と翻訳版では、多くの教本で多かれ少なかれ違いがあります
その理由の一つは言語の違い
特に歌詞付きの教材は、リズムをその国の言語に合わせて変更するなど、
翻訳版での色々な出版社の苦労の跡を感じることがよくあります。
全ては子供たちがその国の原語で理解しやすくするためで
応用練習教材が全く異なる曲に変更されていることもあります。
その国の子供たちが馴染みやすい、または好まれやすい伝統的な曲を取り入れる
これが主な理由の一つでしょうか。
このページではD minor の主要三和音を学ぶための素材に大きな変更があります。
オリジナルではかつての映画スパイ大作戦のテーマ曲を彷彿させるSpy
日本語版では、中国民謡 康定情歌に変更されています
きっとピアノ学習人口が多く、市場としては巨大な中国に沿った選択なのでしょう
実は、中国の教本についての情報は、これまで知る機会に恵まれてきませんでした。
偶然にも、もっと知りたいと思うきっかけになった出来事がありました
先月 6/13 PTNA本部東音ホールで開催された日中指導者交流会です
日本から15名、中国から20名の指導者が参加して
それぞれの国からプレゼンがあり、指導法が紹介されました。
YAMAHA  MUSIC JAPAN 様のご提案、企画で
中国人指導者の皆様が是非見学したいとお申し出があったのが
PTNA(全日本ピアノ指導者協会)だったと伺っています。
初めて参加したこういったinternationalな企画は、とても新鮮で有意義でした。
私は、ピアノ指導法紹介という場面で、プレゼンターを務めさせて頂きました
内容は、日常のレッスン動画公開というご依頼でしたので、
私でいいのかしら、と思いつつ、小1、小3、小5の生徒さんに許可を得て、
お母様方に撮影して頂いた3人のレッスン動画を提出しました。
中国では、グランドピアノ2台でのレッスンをされる先生が少ないとのこと。
レッスン室の写真も是非、とご希望を頂きましたので
教室内部の写真も大公開となりました。
ステージでの演奏を控えた子供達のレッスンでしたが
まだ仕上がってない状態をお見せすることは
実はとても勇気のいることでした。
なぜなら、会場には名実ともに著名な先生方が大勢いらっしゃいましたから。
でも、とてもわかりやすい動画に編集していただき、本当にありがたいことでした。
PTNAの全面協力という形での交流会では
事務局の皆様の手厚いサポートも心に残りました
日本からは、洗足学園音楽大学の鳥羽瀬宗一郎先生も素晴らしいレッスン動画を公開され、
また、PTNAではコンペティション課題曲選定委員を務めていらっしゃる
笹山美由紀先生がコンペティション連弾部門課題曲のマスターコースを担当されました。
生徒さんたちは畠野葵先生の門下生で、素晴らしい演奏❣️
自分のレッスンはともかく、
日本人お二人の素晴らしいレッスンを見せて頂き、
本当に想像以上に大きな学びある充実した時間になりました。
中国からはお二人の先生冷雁先生と陳蘭先生が指導法紹介とマスターコースを担当され、
こちらも、とても素晴らしい内容でした。
冷雁先生が指導法紹介で公開されたレッスン動画はたくさんありましたが、
教材はアメリカ合衆国のアドヴェンチャーを使っていました。
対象は初心者の子供たちのグループレッスン
初歩のレベルからどのように先に繋げていくのか
とても興味が湧きました。
中国で広く使われている教材についても
もっと知りたいと深く興味をそそられた一コマです
時間の都合で、質疑応答の時間がなかったのがとても残念!
中国の先生方が、私たち日本の指導者のレッスンを見て
どのように感じられたのか聞きたかったです
最後の打ち上げは中華料理店にて
日本人の先生方のみの交流会で締め括りましたが、
日本の若手ピアニスト 濵田眞子さんの素敵な演奏ではじまった交流会は
中国人ピアニスト沈孟生先生の素敵な演奏で締めくくられ
本当に素晴らしい1日となりました。
中国のピアノ教育や教材について興味を深め
さらには、日本のピアノ教育との比較から
共通点や相違点だけでなく、共感できることもたくさん見つけた
貴重な1日となりました

最後までお読みくださり、ありがとうございます
暑い日が続きますね
どうか皆様ご自愛の上、お過ごしくださいますように

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