
AIが創る新時代──暗号通貨ベーシックインカムは実現するのか?
こんにちは。
最近は、画像や文章を自動生成する「AIサービス」がどんどん登場してきましたよね。制限はあるとはいえ、無料でハイクオリティなアウトプットが可能な時代は、ちょっと前には考えられなかったこと。
ここからさらに未来を想像すると、AIが稼いだ余剰資産によって物資そのものを提供したり、暗号通貨を通じてベーシックインカムを配布したりする可能性すら見えてきます。企業がそれを行うとしたら、いったいどんな仕組みになるのか? そして配布額の“評価”はどう決まるのか? そんな話を「評価経済論」と「交流通貨論」の視点から探ってみましょう。
1. AI系企業がベーシックインカムを配る?──宣伝効果は絶大
AIがシステムを自動化し、巨大な収益を生み出す。そこまではだんだん現実味を帯びてきていますよね。もし、ある企業がその収益を「みんなに還元します!」と宣言したらどうなるでしょう?
多くの人がその企業に注目し、サービスを使い始めるきっかけになるかもしれない。まさに「企業にとっては最大の宣伝」になりそうです。
加えて、暗号通貨を配布する形でベーシックインカムを行えば、国境を超えて発行・配布しやすいというメリットもあります。ユーザーが増えるほど暗号通貨の需要が高まり、結果的に価値が上がることも期待できるわけです。
2. 評価経済論の視点──“評価”が通貨価値を左右する
ここでちょっと「評価経済論」をおさらい。
これは、“お金”の額面よりも“評判”や“信用”が大きな経済価値を生むようになる、という考え方です。企業や個人のSNSでの評価やクチコミが、そのままビジネスや立ち位置に影響する時代だ、ということですね。
AI企業が暗号通貨でベーシックインカムを提供する場合、その暗号通貨の価値は「企業の評判」「AIサービスの信用度」に大きく左右されるはず。評価が高ければ、人々は「この通貨には将来性がある」と思い、さらにユーザーが増える。逆に企業の評判が一気に落ちれば、通貨の価値も暴落する可能性があります。
要するに、「評価」こそが暗号通貨ベーシックインカムのレートを決定づける鍵になるんです。
3. 交流通貨論で見る「AI×暗号通貨×ベーシックインカム」
もうひとつ、面白いフレームワークが「交流通貨論」。人間同士のやり取りで交わされる“価値”を、6つの通貨に分けて考える理論です。ざっくりまとめると、次のようになります。
現金通貨
お金や物質的支援といった経済的価値。
恋愛通貨
ロマンチックな感情や性的魅力。
親愛通貨
相手の存在そのものを大切に思う、家族愛や信仰心に近い無条件の愛。
信頼通貨
約束を守る、協力するなどで得られる信用・安心感。
快楽通貨
一緒にいて楽しい、面白いといったポジティブな満足感。
社会通貨
地位や名声、SNSフォロワー数など“社会的評価”に基づく価値。
企業が暗号通貨ベーシックインカムを行う場合、まずは“現金通貨”に近い形でユーザーに利益を渡すわけですが、その暗号通貨の価値は最終的に社会通貨(企業の評判やブランド力)によって大きく変動する。
さらに、人々がその企業やAIサービスを「すごい」「役立つ」「信頼できる」と感じることで、信頼通貨も高まる。そうなると、「もっとAIが盛り上がって、ベーシックインカムが安定するかも」と考える人が増えるわけです。
ひっくり返せば、信頼を失えばサービス離れが加速する可能性もあって、一筋縄ではいきません。
4. 将来は物資の提供まで進む?──AIの生産能力がもたらす余剰
実はすでに生成AIは、イラストや文章といった「無形の資産」を大量に生み出せる段階に来ています。ここからさらに、ロボットや自動化システムの進歩で「有形の物資」もコストを極限まで下げて生産・配送できる未来を想像してみると、企業の余剰資産は爆発的に増える可能性がある。
「AIが“勝手に”お金を稼いでくれる時代になったら、そのお金や物資は誰のものなのか?」
ここで、「じゃあ社員やユーザーに一部を還元しよう」という発想が出てきても不思議ではない。企業としては宣伝になり、利用者はリスクなく最低限の収入や物資が確保できる。ウィンウィンの関係が生まれれば、そこに政治や国の縛りを介さずとも事実上のベーシックインカムが成立するかもしれません。
5. まとめ──AIベーシックインカムがもたらす未来
企業がベーシックインカムを行うのは、最大の宣伝施策である。
評価経済論のもとでは企業の評判が暗号通貨の価値を左右し、成功すれば利用者と企業両方にメリットをもたらす。
交流通貨論の視点では、暗号通貨ベーシックインカムは“現金通貨”の形をとりつつも、実際の価値は“社会通貨”と“信頼通貨”に依存。
AIが物質的な生産まで担う時代になると、本格的な“余剰”が生まれ、配布されるモノやお金が拡大する可能性がある。
もちろん、AIが余剰資産を配ってくれる社会なんて、まだまだ実現には課題が山積みでしょう。法整備や倫理問題、暗号通貨のボラティリティなど障害は多数あります。
それでも、ちょっと先の未来を思い描いてみると、企業が独自の通貨を発行し、それを世界中のユーザーに“ベーシックインカム”として配る姿は、そこまで荒唐無稽でもなくなってきている気がしますよね。