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住宅の「居たい」という気持ちを強めるためにはどうすればいいかを具体的に解説してみた
住宅を建てるからには、人とのつながりを大事にしたい。
家族間の独立を助長させるような間取りではなく、人が集まり、長く居る場所をつくりたい。
そういった、ただ居やすいから、ではなく、居たいという気持ちを掻き立たせる為にはどうすればいいか、具体的に僕が学んだことをアウトプットしてみます!
是非、最後まで全部読まなくていいので、ざっと目を通してくださると嬉しいです!
1 移動空間を工夫する
例えば階段。
階段を有効活用して、単に移動空間のスペースとして捉えるのではなく、言葉の定義をもう一回考えてみる。
「階段」とは、高さが少しずれた床の連続。
こう解釈すると、移動空間から人のたまり場に変わる発想が湧いてきます。
具体的に例を出すと、階段の幅をつながっているリビングの幅と同じくらいの大きさにし、奥行の広くとるなど。
本来の大きさに囚われず、ほかに工夫できる事はないか、考えてみます。
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2 外部にたまりの空間をつくる
外部空間にそういう空間をつくるには、中庭がある、建物に囲まれた形式のコートハウス型の間取りにすることが多いです。
具体的に例を挙げると、中庭に移動空間の役割を与える。
例えば、建物の囲いでプライベートを確保しながら、中庭から2階部分に設けたテラスとつながる階段を設ける。
これは動線の流れもスムーズにでき利便性もデザイン性も優れていますし、そこが季節や天気の流れを楽しむ場にもなります。
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3 見通しを少し悪くする
広いワンルームの空間に、LDKと寝室などをただ配置するだけだと、逆に開放感が感じにくくなる。変化がないと人の心は動かないので。
その対策として、つながっているけど隠れていてよく見えないという間取りをデザインすることが大切。
例えばL字型の住宅にしたり、曲面壁で構成したりなど。
仕切りのない空間でありながら、ただ広いだけではない印象を持たせない住宅の間取りを考える。
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4 寝室を共用空間で囲む
敷地が工場や幹線道路付近にあり、庭を設けにくく、開かれた庭を設けにくい場合に用いられます。
箱状の間取りに設定し、家の中心部分を寝室などのプライベートゾーンに、外周部分をりLDKなどの公共的な空間にし、また中心部分のプライベート部分を少しずらして、外周部分の幅を変えることで、機能の変化を促すなど。
また、開放感を感じられるように天井の高さをそれぞれの空間に合わせて変化をつけることで開放感を感じることが可能になります。
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5 吹抜けとたまりをつくる
狭小住宅で感じる狭さの感覚は、仕切りをなくし、ワンルームのような空間とし、たまりを上下に重ねることで解消できます。
具体的には、吹抜けを設けて、そこを中心にしながら用途別に段差を加えることで仕切りを設けなくても境界が生まれて、独立しながらも一体感を得ることが出来て、開放的な住宅にすることが出来ます。
また、敷地の境界部分と建物の間にわずかなスペースがあったらそれぞれの部屋につながれるようなテラスを設けるなどして、気持ちの良いたまりを外部にもつくることで、空間同士の適切な距離感を持ちながら思い思いの時間を過ごせることが出来ます。
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6 目線を揃える
それぞれ部屋の使い方が違ってもそこだけの場になってしまうともったいない。出来るならいろんな部屋とつながりながらコミュニケーションが生まれる空間にしたい。
具体例を挙げると、キッチンに立つ人、リビングに居る人、畳に座っている人、それぞれの目線が同じ高さになる様に、床の高さをそれぞれ変えてみる。
上から目線な人とはあまりしゃべりたくない。
それは建築空間でも同じで、目線の高さや距離感をコントロールすることで上から目線をなくす。
すると自然と会話が生まれる空間になります。
食事のためにダイニングスペースに行くとか関係なく、いつでも落ち着ける空間に居たくて気づいたらダイニングにいる。
そんな空間を僕はつくりたいです。
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7 敷地に逆らわない
敷地に高低差がある場合は仕切りを無理に設けずに、敷地に沿って生まれる高さの違いで空間を分ける。
田舎の棚田の様に。
そうすることで各空間の独自性を自然とつくることが出来ます。
また、快適な空間になる様に、上にのぼるに従ってプライベートな空間にしたり、スキップフロアの段差の部分をつながりを強めるために多方向に向けたり、玄関部分とリビングなどの公共空間の向きを直行にするなど。
自然の力には適わないので敷地には逆らわない。
自然に対してそういう気持ちを持つことが一番快適な空間ができると僕は思います。
一番のSDGsは何もしないこと。
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以上です!