焦らないと動かない
こんにちは。きらりです。
男性全般に当て嵌ると思うのですが、男性は焦りを感じないと女性との関係を進展させようとしません。
ただ焦る理由や閾値が人により異なります。
例えば出会って直ぐにガツガツ押してくる男性は出会う前から何かしらの焦りを感じている人たちです。
独り身の寂しさが身に染みていたり、恋愛に憧れを抱いていたりと、恋愛をする準備が既に出来ているので、スイッチが入るのも早いのですね。マッチングアプリに登録している男性たちで今は恋愛したくないという人はまず居ないでしょうし、所謂ヤリモクの男性は性欲を持て余してそれを解消しなければという焦りに突き動かされています。
好き避けする男性は独りでいるのが別に苦にならないタイプが多いです。コミュニケーションが不得手のため、他人といると疲れてしまうことすらあるでしょう。その上仕事が大事で多忙ですので、今は特定のパートナーは要らないと感じていることがほとんどです。つまり焦っていません。
それなのに貴女に出会って、
「全然恋愛モードじゃなかったのに好きになってはマズイ相手を好きになってしまった」
ということに狼狽します。
そこで彼らは問題を先送りにします。
伝家の宝刀「忙しい」です。
男女ともに「今はそのタイミングじゃない」「○○が忙しくてそれどころではない」という状況は必ずありますが、男性の場合恋愛をするタイミングは大事なタスク(主に仕事)がひと段落ついて、心に余裕ができた時が多いです。女性と違って仕事をしながらも恋人に気を回せる器用さが無く、物事の優先順位に沿ってひとつ片付いたら次、というシングルタスク脳なのです。
しかし好き避けする男性の場合、いつまで経ってもそのタイミングにならず、気付くと出会いからゆうに数年が経ていたりします。
好き避けする男性だけいつまでも多忙をきわめているのでしょうか?
そんなことはありませんよね。
芸能人だって国内外を飛び回るスポーツ選手だって、ハードスケジュールの合間を縫って恋愛したり結婚したりしています。
好き避けの恋愛が長期化するのはこの先送りのためなのですが、貴女も覚えがありませんか?
やらなければいけないけれど大変なことをズルズル先延ばしにした経験が…
好き避けする男性はコミュ障と度々書いておりますが、恋愛という究極のコミュニケーションが、彼らにとっては途方もなく難易度が高いことに思えてならないのです。
彼らの物腰の柔らかさはすぐ剥げるメッキです。それは誰よりも彼自身がよくわかっています。恋愛となると、場当たり的な外面の良さでは到底太刀打ちが出来ないでしょう。しかしプライドの塊ゆえ、
「実は恋愛経験があまり無いんだよね」
等と口が裂けても言いたくありません。
要は自分が疎かにしてきたコミュニケーション能力のツケを払いたくなくて、先延ばしにしているのです。
コミュ障でも、社会の規範や建前や道理に外れたことをしなければ、人から非難されることはありません。だからこそ彼らはそれらをとても重視します。時にはそれを盾に他人をボコボコに批判したりもします。そうすることで自分の正しさを確認したいのです。
好き避けされる女性は人間は理屈だけでは動かせないということを感覚で知っていますので、好き避けする男性がどうしてそこまで正しさに拘るのか今ひとつ理解できません。
好き避けする男性からすると好き避けされる女性は、常識や建前を弁えて場の空気に応じた対応が出来、素直に振舞っても他人に不快感を与えず、時に立場の垣根も越えて他人の懐に飛び込んでいく度胸もある、とんでもなく器用で豪胆で性格のいい女性と思われています。
好き避けされる女性は自分の中にマナーやルールがあり、相手や場によってそれを緩めたり引き締めたり緩急をつけることが無意識に出来ますが、好き避けする男性はそれが無いんですね。
正確には無いというより、自分の心や直感に従うのが怖いのです。過去コミュニケーションで失敗したトラウマがそうさせるのです。
しかし、好き避けされる女性も、生まれながらにしてそうだった訳ではありません。むしろ周りとギクシャクしてしまったことや、相手をよく見ず暴走してしまったことなど失敗経験は人一倍ある筈です。
他者とのコミュニケーションは他者との関わりの中で磨かれていく後天的能力なので、両者ともスタート地点は似たり寄ったりな筈なのです。
つまり、
好き避けされる女性は失敗しても人とのコミュニケーションを諦めなかった
好き避けする男性は失敗して心折れてしまった
その差が現状ということです。
ただし人間には向き不向きがあります。
好き避けされる女性が論理的思考能力が高いとするなら、
好き避けする男性は数学的処理能力が高いタイプです。
私は学生時代の彼氏の社会学のレポートを何度か代筆したことがあるのですが(いけませんよ)、
理系の中には、物凄く理数系科目に強いけれど、文系科目、特に国語が全くわからない人が結構な数存在します。
(彼氏は代筆したレポートを読んでも何が書いてあるのか全くわからないと言っておりました…)
逆に私が就活でSPIの問題集を解いていた時は、彼氏に「何故こんなことがわからないのかがわからない」と言われました。私は国語がものすごく得意だったのですが、数学がものすごく出来ないタイプだったのです。彼氏とは真逆です。
国語は文意を読み取る能力です。小さな箇所では指示語がどれを指すか(「それ」とは何かという問題です)、大きくはこの作品で作者が伝えたかったことは何か、ということですね。これは論理的思考能力を必要とします。
「彼がここで話を一旦止めて煙草に火をつけたのは、自分の心を落ち着かせるためだろう」
といった推測に基づいて作品を読み進めると、作中の人物の人となりや、テーマというものが見えてきます。ただ、それが正解か否かはグレーなのです。同じ文章を読んで異なる受け取り方をする人が存在する分野は正答が存在しないと言えます。テストですと出題者の意図に沿っていれば一応正解となりますが、異なる視点から違ったメッセージを受け取っても、それはそれでひとつの本の読み方です。解ではなく解釈なのですね。
対して理数科目は必ず解が存在する曖昧さのない分野です。誰もが正解に辿り着くことが出来ます。Xはいくつか、という問題にAかも知れないしBということも出来るだろう、ということはありません。数学的処理能力は事象を公式に当て嵌めて分析する能力です。
人には個人差があり主義主張価値観も千差万別ですので、マイノリティかマジョリティかはありますが正解はありません。論理的思考力の高い人はその曖昧さを受け容れることができますが、低い人は個々によって違う、ということにパニックを起こします。そうして「空気読めない」などと言われたりしてしまう訳です。
好き避けする男性は解を導き出すのは得意ですが解釈するのは苦手です。
「彼氏に話を聞いてもらって慰めて欲しかっただけなのに、ダメ出しされてアドバイスされた。わかってない」
などと嘆く女性がそこかしこにいますので、男性脳自体問題を公式に当て嵌めて解を導く数学的処理能力が高いのだと思われます。理系であれば尚更でしょう。
苦手分野を得意分野にすることは並大抵ではありません。そもそも脳がそう出来ていないのですから。
しかし社会は曖昧さで満ちていますので、コミュ障の彼らはルールや建前を守ることで何とか凌いで居るのですね。
貴女のことは大好きだけれども、うまく立ち回れる気が全くしないし、失敗したら立ち直れない。キモイと思われたら死んでしまう。
そうしてズルズル先送りにする彼らの気持ち、なんとなくご想像いただけますでしょうか。
好き避けする男性と好き避けされる女性は得意分野が全く違うので、互いに相手の不得意分野を
「何故こんなことがわからないのだろう?」
と思っています。
しかし、貴女が彼と同じことが出来ないように、彼もまた貴女のようにはなれないのです。
そこを踏まえて、膠着状態を打破するにはどうしたら良いのか、ということですが、彼がコミュ障を克服するのを待っていたら、まずその日は訪れないと思って良いです。
ですので、自信がなくても動かずにはいられない状況にする必要があります。
そのためには
今の自分でもいけるかもしれないという自信
好きな人を失うかもしれない焦り
この二点を満たすことです。
どちらかが欠けていても駄目ですし、小手先のテクニックでは彼らは焦りません。
どちらも彼への接し方の日々の積み重ねがものを言います。
彼のトラウマ克服のためのリハビリは相応の時間を要しますし、それは思うようには進まないかもしれません。
貴女の方が焦ってしまったり、見切りを付けたくなることもあるでしょう。
それは彼に期待をしているからです。
そのような時は黙って距離を置くことです。
他人に期待をしない・振り回されないということは、貴女自身の課題です。