見出し画像

コミュニケーションが大事

日本語能力向上には絶対に必要‼

 日本語の勉強をして入職してくる外国人介護人材ですが、日本人のようにじゃべれるわけではありません。
 日本語は文法も他と違いますし、「し」と「ひ」と耳で聞くと聞き取りにくい発音も多いです。話すとなるととんでもなく大変だそうです。
 特に介護となると専門用語も多いので、日本語学校で教えてくれる日常会話だけでは成立しません。

 日本語学校に通うことでヒアリング、スピーキング、リーディング、ライティングとそれぞれの能力を上げることができると思いますが、どうしても時間数が足りないです。
 日本語で話す環境にいることが日本語能力を高めるには必須だと思いますので、日頃より声をかけて日本語に慣れさせるようにしてみてください。
 繰り返すことで、彼らの拙い日本語にも慣れ何が言いたいか理解できるようになります。

 会話をたくさんしてほしいのですが、注意点があります。
1.ゆっくりと話す
 まずが当然ですが、ゆっくりと話をすることです。早口は絶対に無理ですが、通常の早さでも彼らには聞き取りが難しいです。発音のことにも触れましたが、ゆっくりとはっきりと話すようにしてください。
2.平易な言葉を使う
 次に、平易な言葉を選ぶことです。申し送りなど業務については専門用語を覚えるという意味ではどんどん使っていいと思いますが、それ以外の言葉はなるべく平易な言葉を使うようにしましょう。
3.引き出しをたくさん持つ
 3つ目は同じ意味の言葉をたくさん知っておくことです。「父親」という言葉が分からない時に「お父さん」というと理解できるというように、言い方が変わるだけで、理解ができる、できないが結構あります。
 理解できない言葉がある時は、言葉を言い換える必要があるのですがその選択肢をたくさん持っておくと良いと思います。
4.あやふやな言い回しは注意
 これは最近実際にうちの施設あった話ですが、入浴介助の勉強をしている外国人介護職員がいました。もう何度も経験しているのである程度自分でできるようになっていますが、まだ明確に合格を言い渡してはいませんでした。「○○さんを連れてきてください」と言われ、脱衣場へ連れてきた後、担当職員(日本人)が入浴着に着替えるため「お願いしますね」と言って離れていきました。外国人介護職員は大まかな入浴介助の手順は理解していますが、基本は2人介助なので、どこまでやっていいのかわからないでいました。
 外国人介護職員もはっきりと聞き返さないといけなかったのですが、何をどうお願いするのかを明確に指示をだす必要があるのです。「すぐに戻るから、○○さんの服を脱がせて待っていてください」と伝えれば彼も困らないですみました。
 また、注意する際にも「これはあまり良くないね」というような注意だと「あまり」という言葉に引っかかります。良くはないけど、悪くもないのかあやふやです。「これはダメ」「こうしてください」など白黒はっきりさせるようにしましょう。

職場以外でもコミュニケーションを取って欲しい

 対利用者のコミュニケーションを指導する際にもよく言うのですが、コミュニケーションというと会話と思っている職員が非常に多いです。
 学校で非言語コミュニケーションって習っていると思うんですけど忘れてしまうんですかね?
 外国人介護人材でも同じです。まだコロナ禍なので難しいかもしれませんが、飲みに行くとか食事に行くなどするのも良いコミュニケーションです。日本の食文化を知ってもらうことや逆に相手の国の食文化を教えてもらったりすることができます。
 また、イベントを開催している施設もあるようです。屋台のようなものを出して各国の食べ物を食べてもらうイベントやゲームをするなど異文化交流するのもとてもいいですね。
 これも最近あったことなのですが、施設が所属している地域にある施設で働いている外国人の交流会があり、それに参加したときでしたが、それに参加された他施設の外国人が誕生日に日本人の同僚たちからバースデーケーキをもらったそうです。嬉しいのですが気を遣ってほしくなかったようで、翌年は誕生日を休みにしました。すると、前日にバースデーケーキをプレゼントされたのだそうです。その人は、スタッフの優しさが嬉しくて転職できないと笑っていました。
 こうした、心を通わすコミュニケーションもたくさんしてほしいと思います。

孤独で居場所が欲しい

 日本人は外国人に対して距離を置く人が多い気がします。そもそも日本人同士でもうまくコミュニケーションが取れていないように感じています。共通の趣味や話題がないと盛り上がれない。そんな日本人なので、外国人に対してはなおさら距離を置くのでしょう。
 でも、外国人介護職員のほうがもっと大変です。当然、友達がいないし、言葉が通じないし、慣れない仕事を覚えなくてはいけません。職場だけではありません。家に帰っても生活習慣が違うのでそこでも覚えることがたくさんあります。
 孤独で居場所がない状況なのです。そんな彼らを放置するのはどうなのでしょうか?高齢者ではありませんが介護職としては、こういう孤独な人にこそ声を掛けていくべきではないのかと思います。
 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?