初恋
あれは保育園の時だった。
あなたが初めて名前を呼んでくれた。
あなたが初めて好きと言ってくれた。
笑顔の可愛い真っ直ぐなあなた。
私達は、ホールのステージにちょんと座り、チューをした。
チューをして、顔がくっつきそうなまま微笑みあった。
まだ知らなかった「ウレシイ」だった。
それが初めてのチューだった。
「チューしよ!」とあなたが真っ直ぐに言うから、
私は「うん!」と真っ直ぐに言えた。
みんなが見てた。
幼い私にもわかった。
みんなが遊んでいる中で、
ステージでチューをするんだもん、
みんなジッと見て静かになってた。
私は少しだけオトナになった気分だった。
でもまだ、「コイ」という言葉も意味も知らなかった。
ただ一つだけ、パパとママにはナイショにすることなのはわかってた…。