遠回りして見つけた天職②
介護の仕事と一口に言っても、働ける場所はたくさんある。
でも、有資格者しか働けなかったり車の運転が必要だったりと
職場探しは難航した。
学校に通い、資格を取ってから就職という、段階を踏めたら良かったのだろうがその時間やお金の余裕もない。
働いてお金が貯まれば、働きながら行こう!
とりあえず、飛び込んでみよう!
お気付きでしょうが、とても楽天的でとてつもなく世間知らずな私。
そうして、土日祝休み(基本)で夜勤なしで看護助手として入職。
常勤(正社員)として、こんなにも我儘を聞いてもらえたことに今でも感謝しているが、それ程に人手不足だったのだろうと今になって思う。
最初は、お茶汲みから始まる。
病棟全体の把握や部屋、入院患者さんを覚えるためだろう。
ひとつひとつの水筒やコップを消毒し洗い、お茶や水を入れる。
人によってはとろみをつけて。
ポータブルトイレの掃除や、リネン交換など
言われた仕事はとにかく一生懸命にした。
一向におむつ交換など教わることがなく、無資格未経験で本当に言われたことだけをずっとしていた私に母程歳の離れた大先輩が一言。
見て覚えて!教えてもらうまで何もしないのは甘え。
そう言われ、たしかに教えてもらえないから何もしないのは良くない!と後ろについて見たり自分で何とかおむつを替えようとし、まごつく私にまたも一言。
邪魔!
何もできないなら、あっち行ってて!
毎日のようにお茶汲みとゴミ捨てを繰り返した。
だんだんと、こんな風に考えるようになる。
私、何のためにこの仕事しようと思って転職したんだっけ。
教わってもないことをできないとため息つかれる日々。
だんだんと、電車に乗ったり職場に向かう足が重くなる。
お腹が痛くなる、吐き気がする。
血の気が引き、電車で立っていられなくなる。
何日か欠勤することがあり、頻度も上がる。
それでも、自分がしたいと思って転職したんだから辞めるもんかと体調不良でも行ける時は行った。
自分なりの努力をしていたが、3ヶ月経ったある日。
帰り際、先輩の看護助手に申し送りのようなものを伝えるために呼び止め話し、普段のようにため息をつかれ放たれた一言が一番衝撃だった。
もういいから帰って!あんたの顔見たくないから!
今までできない自分が悪い、無資格未経験で入って何も分からない自分が悪いと思って来たが、顔って関係ある?
そのまま看護師長の元へ行き、言われたことをそのまま伝えると
それは先輩が悪いわと言われ、もうつらそうだから他の階に異動する?と提案された。
虐められた方なのに何故自分が追い出されるの?と
とてもつらい思いをした。
そうして、一般病棟から療養病棟へ異動が決まる。
ここでも同じようになるなら、辞めよう。
そしてこんな思いをしてまでする仕事じゃない、辞めたら二度とこの仕事をするもんか!
そう思い、異動先の病棟に行くと・・・
続く