米国利下げ期の金利高の株式市場について
はじめに
非常に好調な米国株だが、最近は上値が重い。また日経も米国の好調になんとか下支えをされているような印象だ。今の状況で米国株の崩れは日本株の大崩れに繋がるとして、米国の状況について考えていきたい。
表題のタイトルは、毎週必読の村松さんの記事からヒントを得たものである。
米国利下げ期に金利が上昇したケース①〜1995年〜
6%のFF金利から利下げを開始したものの、再度US02Yが上昇したケースだ。
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図中下部の矢印の部分で金利が上昇していき、金利が上昇していく場面ではSP500は高値を取ることができずに、5%程度のレンジ相場を形成している。金利が安定すると、ゴルディロクス的に上昇するが、やはり上値は重くなる。本格的な上昇は金利が下がり始めてからだ。レンジ期間は8ヶ月程度続いたようだ。
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こちらはより金利の低下に弱いとされるSOX指数だ。SP500より深い押し目を形成していて、最大で30%近くも下落するレンジを形成している。ただし現代ではインフレや高金利に打ち勝つのは更なる高成長を叩き出すSOXだ、という考え方もあるので、30年前のこの推移は当てはまらないかもしれない。
米国利下げ期に金利が上昇したケース②〜2019年9月〜
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こちらは金利上昇とともにSP500も上昇している。しかし、上値をつけてから一旦4%ほど調整し、金利が落ち着いてから新高値を取りに行く構図は1995年と似ている。
たったの2例しかないが、動き方はそこまで異なる様子を見せていない。
米国利下げ期に金利が上昇したケース③〜2024年10月〜
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現在はFOMCで50bpsの利下げがされた後、堅調な雇用統計やCPIを経て再び金利が上昇している。SP500は順調に伸長していたが、ここ数日は上値が重くなっている。
過去の例に倣えば、5,875で一旦の天井をつけたとみてここから5%程度の調整が入ってくるだろう。目安は5,590近辺だ。金利上昇がもう少し続くとすると、もう一回高値をとってからの調整かもしれない。しかしながら上抜けよりもレンジにBETした方が良いだろう。
まとめ
・利下げ期の金利上昇は、村松さんの言葉を借りると堅調の中での利下げなので、金利の上昇を伴うことがある
・金利上昇時はレンジを形成しやすい
・上抜けには金利の低下が必要か
・現状はレンジの上限ではないか。買い向かうよりも押し目を拾う
・大統領選挙などの要素はあるが、それらを反映したのが金利、と捉えてあまりノイズを考えすぎないようにしたい
・買いは金利低下が見えてからで十分。12月の雇用統計あたり?
・ここからSP500が3%程度下落した場合、日経は5%程度下落することが考えられる
・その場合の下値目処は36,100〜36,300円
・現在の日経は先週指摘した押し目ラインまで落ちてきた
・現状はおそらくニュートラルなポジションなので、買っても良いし買わなくても良い、売っても良い微妙なところ
⇨先物で同数のヘッジをしながらの買い or 売りが心地よい