SixTONES『Cat call』を聴いて人間不信になった
誰も信じられない。
長年の大親友のあいつも、愛してる死ぬまで一緒だよと誓ったこいつも、もう誰のことも信じられない。
SixTONESの『Cat call』を聴いたせいでこんなことになってしまった。なんてことだ。慰謝料払ってくれ。元の私に戻してくれ。誰かを信じるという尊い気持ちを取り戻させてくれ。ちなみに長年大親友のあいつも、愛してる死ぬまで一緒だよと誓ったこいつも実在しないから安心してほしい。実害なし。
皆さんはSixTONESのアルバム『声』収録の『Cat call』を聴いたことがあるだろうか。たぶんあるよね、知らなくてこのnote開くとは思えないもん。でも知らなかったときはあるよね、誰にだって初聴きのときはあったよね。そのときどう思った? なんじゃこれと思いませんでした? 怒りを感じませんでした? 人間が信じられなくなりませんでした?
私はね、遅れてやってきたスト担(すなわち『こっから』からSixTONESにはまった人間)なので結構最近聴いたんですよ、Cat call。でもドームの円盤化のときなんかに「イヤァァァCat callだぁぁぁぁぁぁ」っていう断末魔をSNSなんかで観測してたのでヤバい曲なんだなとは思ってたわけ。ほら例えばさ、Imitation Rainが収録されるとしても断末魔は聞こえなさそうじゃん。「デビュー曲披露うれしい!」とか「どんなパフォーマンスなのか楽しみ!」とかいう声はあってもさ、「イヤァァァImitation Rainだぁぁぁぁぁぁ」とはならなそうじゃん。だからCat callとかいう曲はなんか知らんがすごい曲なんだなとは思ってたわけよ。
そして忘れもしないあの初聴きの瞬間よ。
出だしのジェシーさんの英詞かっこいいね、かわいい系じゃなくてアダルティな感じなのね…とか思いながら聴くじゃん。一人が好きな君でもさみしくないわけじゃない…とか歌う京本大我さん味わい深いね…とか思うわけじゃん。
そんでサビよ。
「ウーウーウーウウ、子猫のような瞳でキャッコー」
おお、松村北斗くんか。この人の声セクシーだから似合うな、とか思うじゃん。
そしたらよ。
そしたらよ。
「おいでよキャッコー、ニャアーオ」
…は?
ニャアーオ?
今この人ニャアーオって言った?
さっきまで気軽にJ-POPを聴いていたはずなのに、突如混乱と混沌が渦巻く三千世界に叩き落されたのである。
えっニャアーオ? ニャアーオ言うた? ほんと? 幻聴? 気のせい? 空耳アワー? いやいや私の耳はニャアーオをキャッチした。確かにキャッチした。松村北斗のニャアーオを。
愕然としている私の耳に次の衝撃がやってくる。
「ウーウーウーウウ、甘えた声で君にキャッコー」
こここここここここここここここ髙地くん!?!?!?!?!?
マイクリレー形式のサビなの!?そして次の走者は髙地くんなの!?!?!?!?
申し遅れたが筆者は髙地優吾担である。突然のニャアーオの出現で頭狂ってるときに推しの登場と相成った。
ててててててことはよ!?!?!?!?
髙地くんも??????
ニャアーオって??????
言うの…………………????????
髙地くん「今夜も」
私の鼓動「ドッドッドッドッ」
髙地くん「キャッ」
私の鼓動「ドッドッドッドッドッドッドッドッ」
髙地くん「コー」
私の鼓動「ドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッ(くるぞくるぞくるぞ)」
髙地くん「Yeah」
………………は??????
言わんの?
ニャアーオ言わんの?
……ええええええ?????
もう信じられない。
髙地くんのことが信じられない。
いや別に期待なんかしてない。私は推しにはかっこよくあってほしい派であって、かわいくあってほしい派ではない。アイドルムーブをしている様子を見るとこっ恥ずかしくなるタイプの人間でもある。だからむしろニャアーオなんて言ってもらわなくて結構なのである。だって髙地くんは人間だし。猫じゃないし。
でも、松村北斗だって人間なんだよな。
人間だし、普段そんなあざといことをするわでもない松村北斗がニャアーオ言うたんやで?
それなのに髙地くんは言わんの? なんで? なんでなん? まさか恥ずかしかったから? だから無難なイエーイにしといたの? そうなん? ねえ髙地くんそうなん?
信じられない。松村北斗体張ってんのにそんな仕打ちある? 髙地優吾、なんで松村北斗を一人にすんの? てか普通にニャアーオ聞きたかったんですけど? さっきは期待してなかったとか言ったけどやっぱ推しがニャアーオとか言ってるのは聞きたかったです、先程は見栄を張りましたすみません。照れながらレコーディングしたのかな〜とか思いながら髙地優吾のニャアーオ聞きたかったです。こんな形で裏切られるとは思ってませんでした、もう髙地さんのことは信じられません。これまで楽しかったです、さようなら。
失意のうちに2番が始まる。そういえば2番が始まる前になんかミャオミャオ言ってるのが聞こえた気がするが、私の耳には何も入ってこない。髙地くんのニャアーオ以外の音はもはや受け付けない。大好きなSixTONESの声であろうとお断りだ。鼓膜の3歩手前で門前払いだ。ミャオミャオ大合唱ではなくて髙地優吾単騎のニャアーオ(しかもちょっと色っぽい)以外はいらん。
「ウーウーウーウウ」
ああまたサビか。
森本慎太郎くんか。…ん? イエーイ言うたな。ニャアーオじゃなくて。
「ウーウーウーウウ」
田中か。田中って結構音域の幅広いよな…またイエーイ言うたな。ニャアーオじゃなくて。
二人ともイエーイって言ったな。ニャアーオじゃなくて。…どういうこと?
今、6人中4人がサビ済である。うち1人がニャアーオである。残りの3人はイエーイである。つまり確率でいうと25%ニャアーオである。これは一体如何なる事か。
静寂に満たされていた私の頭に再び混乱が訪れる。
2番が終わり、またしてもSixTONESがミャオミャオ言ってるのが聞こえるがそれどころではない。
そして満を持して迎えた大サビである。
「ウーウーウーウウ、子猫のような瞳でキャッコー」
ジェシー、あんたのことは信じてんだ…!あんたは北斗を一人になんかしないよな…!?
「おいでよキャッコー、イエーイ」
…!!!!
…まじか…
そして残るきょも様は…
「今夜もキャッコー、イエーイ」
………………
お分かりいただけただろうか。
私の世界が転覆してしまった。
私は「ニャアーオ」と言ってくれなかった髙地くんのことを信じられなくなった。あんなに好きだったのにもう信じられない、と怒りと悲しみの涙にくれていた。ミャオミャオ言ったところで許されることではない。今後髙地くんがいくらきき湯をオススメしようともバスクリンを買うしかない…と思っていた。
が、本当に異端だったのは、本当に信じるべきでないのは、6人中ただ1人「ニャアーオ」と歌った松村北斗の方だったのだ。
信じられない。
松村北斗が信じられない。
なぜニャアーオなんて言ったんだ? たぶんそもそもの歌詞は他のメンバー同様イエーイだったんだろ? それをなぜ松村北斗はニャアーオなどと言った? なぜ? なぜ?
分からない。私たちを惑わしそれぞれの推しに対して人間不信にさせるためだとしか思えない。ああ怖い。信じられない。信じられない松村北斗。ニャアーオって何やねん。しかもよく聞くとイエーイって歌ってるとも言い張れるレベルのニャアーオなのだ。「いやいやニャアーオなんていうわけないでしょ笑」と我々を煙に巻く松村北斗が目に浮かぶようである。真相は本人のみ知るという状況を作り出し、ファンを弄んで喜んでいるのである。あーこわ。怖すぎる松村北斗。ニャアーオって何やねん。許されんぞ本当に。
かくして私は人間不信になった。
もう誰のことも信じられない。主には松村北斗のことが信じられない。ただ大好きなSixTONESの曲を聞いてただけなのに、こんなことになるなんて思ってもみなかった。
いないとは思うが、まだキャッコーを聴いたことない人がいるとしたら本当に気をつけてほしい。たった3、4分で人間不信に陥るなんて、こんな体験、しない方がいい。
それともあなたはサバイブできるだろうか。あの魔曲を聴いてなお、松村北斗はじめ人間って素晴らしいな…って思っていられるだろうか。是非、あなたには生き抜いてほしい。それが、松村北斗のニャアーオにやられてしまったいちスト担からの切なる願いである。
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