頭のなかのことばについて書いてみる。

これは2023年2月13日の再掲です。

絵本好きの母に育てられたおかげか、幼い頃から私はいわゆる本の虫であり近頃の若者と呼ばれる年代の中では恐らく珍しいくらい多くの本を読みながら成長した。

思い返してみれば、中学3年生の時に初めて自分の中で友達と呼べるような存在に出会うまで、ひとりぼっちでは無かったもののこれといった仲良しの友達もいなかった。
しかし、大してそのことを気にも留めずにぼんやりと過ごしてこれたのは、本を読むことに忙しくそれだけで充足してきたからだと思う。

そんな10代を過ごしてきたせいなのか、影響されやすい私は物事を考える際に小説の中の文章を組み立てるように考えてしまう癖がある。
村上春樹を読めば頭の中は村上春樹の文体になり、有川浩を読めば思考回路は有川浩の物語の中に沿ったものになる。
なんとも単純で自分のない薄っぺらい人間なんだと思う一方で、これだけたくさんの言葉が生まれる脳内で、私にしか表現できないものがそこにあるはずだとひっそりとした自負を持っていた部分もあるかもしれない。

このへんてこりんな癖を、今までまたやっちゃってると思うくらいで特別直そうともしなければ、いざこれを生かして文章を書かん!と決意したこともなかった。

いわゆるアラサーになり、結婚・妊娠・出産の一通りのライフイベントを終えた私は大人になったと表現したら良いのだろうか。
目まぐるしく起こる変化の中で、取り違えたら人生を大きく変化させる選択の連続にとまどい、その中でも最善の選択をしたと思っていた結果の今が、これで良いのだろうかと最近何度も考える。
あの時こうしていれば、ここの就職先に決めていたら、あの時の試験に落ちなければ、たらればは止まることはない。

無駄を嫌い、完璧主義で、気を使いすぎてコミュニケーションをとることが苦手で、脳内で何度もたくさんの言葉を繰り返し考え続け勝手に疲れ切ってしまう。
意味がなければ、誰かにとって有益でなければいけないと思う考えから、自分の体験や言葉に意味を持たせる自信なくどんどん頭でっかちになってしまう。

だから、思い切って頭の中の言葉を文章にして誰にも見られなくてもいいけどほんの少しだけ誰かに共感して受け止めてほしい、そう思って文章を書いてみることにする。
新年からとか、キリの良さはないんだけどまあ思いついて決めたときが1番いいタイミングってことで。

決意:自分の感じていること、考えたこと、思っていることになるべく素直に、飾らずにを意識する。

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