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野球部
「野球やってなさそう。」
部活の話をする時によく言われる。
小学校3年生から高校3年まで野球をやっていた。
小中高、属した3チームとも、強豪校ではなかったが、練習は厳しかった。
野球部を引退して今年で7年が経つ。
25歳を迎える歳に、改めて思う。
野球やってた時の俺はあまりに変だ。
教室で喋った記憶が全くない。
クラスメイトともなかなかコミュニケーションが取れず、会話もほぼ出来なかった。
今思えば自分から明るく話しかければそこそこ仲良くなれた気もするが、とにかく当時は、にこやかに話しかけるという処世術など持ち合わせていなかった。(今はきっと、できてる。)
このように、クラスで一言も発さない人間がホームルームを終え、部室で着替え、グランドに出た瞬間に、
「元気出していこう!!!」
と叫びながらグランドを駆け回っていた。
異常としか思えない。
平日、授業を受け、休み時間は1人でスマホゲームをしたり、机に突っ伏して寝ていた。
土日、5番サードで試合に出て、誰よりも声を出して全力疾走していた。
平日、授業のグループワークでダンス部の女子に照れてしまい何も言えず、黙々と事務作業をこなしていた。
土日、大会でサヨナラヒットを打って感激のあまり泣きながら仲間と抱き合っていた。
土日の俺は、俺なのだろうか。
野球部にいた時より体重は10キロ減り、筋肉も落ちガリガリになった。
大きい声も出さなくなったし、涙が思わず溢れるような経験も特にない。
しかし、もしかしたら今の自分の中にも、ウグイス嬢にコールされた
「5番 サード 髙山くん」
は隠れているのかもしれない。
最近漫才をやっていて自分では意図しないところを面白がってくれる方がいる。
自分では気がつけない自分が見つかることはとても嬉しい。
漫才中にも「5番 サード 髙山くん」が見つかったらなんか嬉しいんだけどな。
それあんまりいいネタじゃないかもな。