「人間は本来、強いものである」
最近読んだ
「中村天風 めげない ひるまない
立ちどまらない」(著者池田光)
を読んで、その本の中に
「人間は本来、強いものである」
めげず、ひるまず、立ちどまらず
大きな積極(絶対積極)に生きる。
と中村天風の哲学が書かれている「性強説」
を初めて知り、この本を読んだ時に消防士
時代の自分がこの考えと重なるなと感じ、
最近までの自分は「性弱説」で過ごしていたなー
と考えさせられました。
「性弱説」- 弱い自分を叱咤し、強く生きよう
と拍車をかける生き方。(小さな積極性)
消防士の現場でこの「小さな積極」では、
現場の雰囲気にのまれてしまい、
めげて、ひるんで、
立ち止まってしまう。
「性弱説」の自分では人の命を救う仕事は到底
務まらなかっただろうなと感じます。
救命処置が必要な現場になると「救命出動」
の指令が流れ、その瞬間戦闘モードに
切り替わるんですが
緊張して手が震えるとか、
現場に着いてオロオロしてしまい
自分の中に迷いを持ってしまうような
性弱説で活動してしまっては、
救える命も救えなくなってしまうので
現場で100%自分自身、そして一緒に
出動してる救急隊のメンバーを信頼し
自分の判断を信じる事が1番大事でした。
「救命出動」と指令が流れた瞬間
命のタイムリミットが刻まれるため
一気にアドレナリンが出て緊張が
マックスになり、
心臓がドクン、ドクンと大きく
鼓動をうって脈は速くなり
そんな大きな緊張に飲み込まれないよう
グッと息を止めて、冷静な自分を取り戻そう
とお腹の奥に感情を抑え込みます。
そして、最悪な状況を自分の頭の中に
イメージして、その中で自分だったら
どういう現場活動をするのかを到着する
までにシュミレーションする事で、自分
を冷静に保っていきました。
めげずに
ひるまずに
立ち止まらない
これは、最低限必要なラインだったので
消防士時代は持ち合わせていたのだと思います。
でも、消防士を辞めてから
私はどんどん「性弱説」の思考に変わって
いったなーと感じます。
それは、なぜだろうと考えた時に
結婚、出産を機に社会から切り離された
事で自分の存在価値を見い出せない日々
を過ごしていた事もあると思います。
新しい環境での人間関係や
何がやりたいのかわからず模索して
いた時代に、自分の事を信じられなく
なっていった事。
そんな時SNSや本で
「人は本来弱い生き物だから、
ネガティブ思考になる」
という言葉が、いつからか私の頭にはずっと
こびりついていて、
ホルモンなどもメンタルに大きく影響して
女性は男性よりも不安になりやすい生き物
だと書籍でも読んだ事で、安心はしましたが
実際、何か1歩踏み出す時やチャレンジしたい時
この「性弱説」が根底にあると
「よし!」と踏み出したい時に
スタートがマイナスからのスタートだから、
何かに向かっていきたい時にはものすごい
エネルギーが必要になりますよね。
1歩踏み出す前から想像だけで
息切れしちゃって、ひるんでしまう。
そうするともう踏み出すことすら恐怖に
なってくる。
でも、「性強説」での考えで
人は本来、強いものである
という考えが前提だと
「よし、なりたい自分に1歩踏み出そう!」
と考えた時なんだかハードルが低く感じ
ませんか?
昔、救急現場で心肺停止の赤ちゃん
の救急搬送をした時、
絶対救うという気持ちで
私も救命処置をしていたんですが
それ以上に
赤ちゃんの身体の細胞1個1個が
まるで「生きたい」と言っているかのように
強く心拍が再開し、その時私は
「人の命って、なんて力強いんだろう」
と感じたんです。
別の事例で、人は心肺機能が停止する直前に
「死戦期呼吸」と言って、酸素を取り込もう
とパクパク顎を動かしているような動きを
するんです。
心肺機能はほとんど機能していない状態
なんですが、一生懸命酸素を取り込もうと
しているように見えるので
私にはその状態が、細胞が最後まで諦めて
いないように感じたんです。
この2つの事例は、人が生きようとする力は
本当にすごいなと思わされた光景でもあり
ました。
自分の事を弱く見積もってるのは自分自身
の「心」であって、私たちの細胞の1つ1つは
今も生きるために絶え間なく活動し続けて
くれてて
何時間椅子に座ってても
身体に不具合が起こらないように
身体を固めて守ってくれてたり
身体がガチガチに固まって
不調があっても身体に必要な酸素を
取り込むために、絶えず呼吸を繰り
返してくれてたり。
筋肉を鍛えれば細胞はそれに応えて
若い人にも引けを取らない
筋肉隆々のボディラインを
作ってみせたり
細胞レベルで考えると
人間って本来は強いんだなって
そして進化していけるんだなって
すごく実感させられるんですよね。
無意識レベルで細胞は体を良い方へ
良い方へと持っていくために活動し
続けてくれてるのに
なぜ私たちはわざわざネガディブな
考えをわき起こさせて、起こっても
ないことに不安を感じたり
勝手に自分はできないと刷り込んでみたり
自分から弱い自分を形成しにいってるん
でしょうね。
ネガティブな感情だろうが、
ポジディブな感情だろうが
身体の細胞1個1個は絶えず私たちの
身体を良い方へ良い方へと持っていって
くれてるので
ネガティブ思考が湧き出てきたら、
自分の鼓動や呼吸の音に今一度耳を
傾けてみると良いかもしれませんね。
「私は本来は強いんだ」と思い出させて
くれるかもしれません。
今回読んだ
「中村天風 めげない ひるまない
立ち止まらない」(著池田光)
では沢山ヒントになる事が書いてあるので
気になる方は一度読まれてみると面白いですよ。