生成AIは「個人事業主」が最も成果を出せそうな件
はじめに
ビジネスにおけるAIの活用が注目を集めています。AI導入で、業務の効率化や新たな価値の創出が期待されています。しかし、ビジネスに活用するには、それぞれの立場によって異なる課題やメリットがあります。
筆者は生命保険会社のデジタル共創オフィサーとして、また個人事業主的立ち位置、中小法人の経営顧問、兼業農家という立場の違う複数のポジションがあり、生成AIの活用の立場も良く分かるつもりです。
そこで本記事では、大企業の役員・部長課長層とフリーランスなど「個人事業主や1人法人など」を比較し、誰が最も成果を出しそうかをメンタルセット面を中心に考えます。
大企業の役員・部長課長層
JTC(日本の伝統的)大企業の役員・部長課長層は、会社の方針決定や部署運営に関わる重要な意思決定を行う立場にありますが、以下の理由から活用に積極的になれない状況があります。
1. 既存の業務プロセスへの固執
長年の経験から確立された業務プロセスがあり、新しい技術の導入に抵抗感がある上、AIを導入することで、部下の業務が効率化され、自分の存在価値が低下するのではないかという懸念
2. 短期的な成果重視
四半期ごとの業績を重視するあまり、中長期的な視点でのAI活用に踏み切れない。AIの導入・運用にはコストがかかるため、すぐに効果が出ないと判断。
3. AIに対する知識不足
AIについての知識や理解が不足しているため、活用方法がわからない。AIを導入することのメリットを正しく認識できていない。
このようにJTC大企業の役員・部長課長層は、会社全体の方向性を決める立場であるため、生成AIの活用に関しても慎重にならざるを得ません。さらにこの層はたっぷり部下が使え、経費も使える人が多く、生成AIがなくても困りません。
個人事業主(1人法人やフリーランス)
一方、個人事業主などは、自分の判断で事業運営ができるため、生成AIを活用しやすい環境にあります。以下の理由から、個人事業主的立ち位置の人が生成AIを活用することで大きな成果を出せる可能性があります。
1. 柔軟な意思決定
自分の裁量で新しい技術を導入できるため、生成AIの活用に素早く取り組める。失敗を恐れずに、AIを活用した新しいサービスやビジネスモデルにチャレンジできる。
2. 効率化によるコスト削減
生成AIを活用することで、一人で多くの業務をこなせるようになり、人件費を削減できる。AIによる自動化により、単純作業に費やす時間を減らし、より付加価値の高い業務に注力できる。
3. 差別化の手段としてのAI活用
同業他社との差別化を図るために、生成AIを活用した独自のサービスを提供できる。AIを駆使することで、個人の能力以上の成果を出せる可能性がある。
例えば、個人でWebデザインを手がける人がいるとします。生成AIを活用することで、デザインのアイデア出しや、ラフスケッチの作成を効率化でき、制作にかかる時間を大幅に短縮、多くの案件を受注することが可能になります。これは凄い効果です。何よりAIを活用した独自のデザインを提案することで、他のデザイナーとの差別化を図ることができ競争力強化になります。
また、個人事業主的立ち位置でコンサルティング業を営む人は、生成AIを活用してリサーチや資料作成を自動化、質の高いコンサルティングサービスを提供でき、AIを活用して得意分野以外の知識を補うことでサービスの幅を広げられます。これも凄いことです。
個人事業主的立ち位置の人こそ活用すべき
生成AIの活用において、個人事業主的立ち位置の人は大企業の役員・部長課長層に比べ、有利な立場にあると言えます。意思決定の速さ、効率化によるコスト削減、差別化の手段としてのAI活用など、個人事業主的立ち位置ならではのメリットを生かすことで、大きな成果を出せる可能性があるのです。
生成AIは、個人の力を最大限に引き出すためのツールです。個人事業主的立ち位置の皆さんは、生成AIを活用することで、事業をより発展させていくことができるでしょう。
まとめ
生成AIをビジネスに活用するには、それぞれの立場によって異なる課題やメリットがあります。大企業の役員・部長課長層は、既存の業務プロセスへの固執、短期的な成果重視、AIに対する知識不足などの理由から、生成AIの活用に積極的になりづらい傾向があります。
一方、個人事業主的立ち位置の人は、柔軟な意思決定、効率化によるコスト削減、差別化の手段としてのAI活用など、生成AIを活用するメリットが多くあります。早いうちから生成AIを活用することで、競争優位性を確保し、事業を発展させていくことが必要です。