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2023-2024の海外越冬生活レビュー

2023年12月中旬から2024年3月下旬までの間、ベトナム・台湾・タイで越冬しました。費用については↓に記載しました。

今回は費用以外の面での各国の感想です。渡り鳥生活で滞在したいかどうかという視点で書いています。


目的

2023年は札幌に住んでいて1回目の冬を過ごしましたが、2回目の冬の全期間を札幌で過ごす気にはどうしてもなれなかったしコロナ禍も終わり自由に渡航できるようになったので暖かい所へ行こうと思ったのが発端です。

この先のアーリーリタイア生活でも、渡り鳥のように季節ごとに快適な場所に滞在するという生活スタイルもありかなと思っていたので「生活したらどんな感じなのか」を確認しにいくことを主目的にしました。

旅程

当初の旅程は以下の通りでした。

札幌→ベトナム(台湾経由) ベトナム滞在(フエ、ニャチャン、ホーチミン)
ベトナム→台湾 台湾滞在(高雄、台北)
台湾→札幌

変更後の旅程は以下の通りです。

札幌→ベトナム(台湾経由) ベトナム滞在(フエ、ニャチャン、ホーチミン)
ベトナム→台湾 台湾滞在(高雄)
台湾→タイ タイ滞在(バンコク)
タイ→札幌(台湾経由)

台北がバンコクに変わりました。この変更は高雄に到着してから行なっています。

ベトナム

これまでベトナムには観光で数回行ったことがあり、ホーチミンとその周辺(メコンデルタ)、ハノイ、フエ、ニャチャンにそれぞれ数日滞在していますが、ビザ無しでの滞在可能日数が15日から45日に増えたので、今後の渡り鳥生活拠点の候補として視察に行くことにしました。

今回はフエに1.5週間、ニャチャンに1.5週間、ホーチミンに約2週間の合計約5週間滞在しました。

ベトナムの街は公共交通機関があまり発達していないのに国外運転免許が使えず移動が不便なことと、特にホーチミンでの歩道や人1人しか通れないような路地でも構わず突っ込んでくるバイクと、大通りに溢れる大量のバイクによる大気汚染と合図として鳴らしまくるクラクションの音がひどく、外を安心して歩けないのが難点です。

バイクの大群

生鮮品(野菜・果物)は種類も多く安価なのが嬉しいですが、タンパク源である豆の入手性が少し悪かったです。

1kgあたり約140円のドラゴンフルーツ

気候はずっと雨だったフエを除き比較的天気も良く暑くて申し分無いです。

渡り鳥生活の拠点になるか

短期で数日いるくらいなら良いですが、30-45日間滞在する場所にはならないと思いました。理由は家の中以外に排気ガスや騒音から逃れて休める場所がカフェなどの有料施設しか無いのと、一歩外へ出ると音の洪水だし周囲に多くの注意を払わないとならず疲れるからです。

危険回避のために使うものとしてデザインされているクラクションをカジュアルに使いすぎなのも歩行者からするとうるさすぎて迷惑であり受け入れられません。

また店の中をゴキブリが飛んでいたり妻が出国直前に食あたりになったりで衛生状態に不安があります。

私も妻も少なくともこれまでに10カ国には渡航していますが、海外で食あたりになったのはベトナムくらいです。

台湾

台湾は日本人がビザ無しで90日滞在できる数少ない国のうちの1つです。これまで旅行で5-6回くらいは行ったことがありますが、生活する視点では見たことが無かったのでベトナムと同じように今後の渡り鳥生活拠点の一つになるかどうか判断したいと思いました。ただし台北の1-2月は寒いので南部の高雄が候補地です。

高雄市内は地下鉄・バス・LRTなど交通機関が充実していて便利です。レンタカーやレンタルバイクを利用するには免許証が必要ですが、国外運転免許は使えないので別途日本の免許証の中国語翻訳を取得する必要があり、一手間かかるものの不可能ではありません。ただ今回は公共交通機関だけで事足りたので利用しませんでした。

食材はスーパーマーケットのカルフールで購入していました。街の市場も見てみましたがカルフールの方が鮮度が高そうだしトレーサビリティもしっかりしていそうで安心です。冬だからか野菜・果物の品揃えが悪く日々サラダを食べたい我々にはちょっと物足りませんでした。また調味料の類も混ぜ物系はあまり体には良くなさそうなものしか無いし豆類の価格も高く、健康的な食生活をしていこうとするにはかなりの手間暇費用がかかりそうに見えました。特にエスニック系食材(タイカレーペスト、ココナッツミルク、魚醤、ホールスパイスなど)はほぼ売っていないのが困りました。

1個300円のパパイヤ。数日追熟させてから2度に分けて食べます

外食も食堂は甘い味付けのジャンク系が多いし、蒸し物以外は基本的に「何かが油でコーティングされている甘く濃い味付けのもの」が多いです。その上外食文化だそうなので、高い人工透析率だったり糖尿病関連のクリニックが街のあちこちにあるのも納得感が高いです。美味しかったのは湯包、砂糖不使用の豆花/杏仁豆花です。

気候的には1月や2月でも太平洋ベルト地帯の春から初夏くらいでちょうど良いし、高雄は海が近くにあるのでそちらの方面に行けば開放的なのも良いです。

ベトナムから台湾に来て驚いたのは横断歩道を渡ると車やバイクが止まってくれることです。またバイクや自動車が静かに走っていることにも感動しました。

渡り鳥生活の拠点になるか

Airbnbの部屋の供給が少ないのがまず難点です。その上キッチンがある部屋というのがほとんど無いし高いので部屋探しが困難を極めます。

また上に書いた通り食生活も大変です。

元々は今回の渡航では台湾に2ヶ月滞在する予定でしたが、高雄の最初の1週間の生活でこの先の約2ヶ月の滞在は無理だと判断し、高雄での1ヶ月滞在の後に予定していた墾丁のショートステイや台北の1ヶ月滞在関連の予約を全てキャンセルし、その期間をバンコクで過ごすことにしました。日本に戻る台北→札幌の便は変えられないので、バンコクから一度台北に戻ってきて札幌に行くという面倒な旅程になってしまいましたが仕方ないです。全ての予約がRefundableだったのがラッキーでした。

1ヶ月以内の直前予約ですが、希望する場所・タイプ・価格の部屋もありさすがバンコクだと思いました。

タイ

タイは首都のバンコクだけではなくラチャ島、サムイ島、プーケット、クラビなどいくつかのビーチリゾートなどへも行ったことがあり、これまで最も多くの回数行った外国なので台湾やベトナム以上に勝手知ったる場所という思い込みがありました。ただ生活者視点での滞在はしたことがありませんでした。

滞在中2日に1回は通ったBig Cエカマイ店

結果としては超短期旅行と1ヶ月の生活ではさほど大きなギャップは無く、交通も安くて(渋滞を除けば)便利、食材も豊富で美味しい、外食も安くて美味しい、暇を潰せる涼しくて快適な場所には事欠かないなどで最高でした。

夕方のワット・アルン

台湾の2ヶ月目をキャンセルしてタイ行きを決行したのは大成功だったと言えると思います。

いつも買っていた1kg(3個くらい)あたり130円のマンゴー

渡り鳥生活の拠点になるか

転職の最終面接で「もう決まりなのであとは形式的なものです」というのがたまにありますが、今回のタイ行きはまさにそんな感じで、結果的には台湾・ベトナム行きは「やっぱりタイっていいよね」という気持ちを確かなものにする引き立て役になっただけでした。

追い打ちをかけるように2024年7月からノービザで2ヶ月の滞在が可能になり、入国後に申請すればそこから更に1ヶ月の延長ができるのでノービザでも合計3ヶ月の滞在ができるようになってしまいました。タイに3ヶ月いられるとなると越冬先としては最強であり、短期のアドベンチャー目的以外の生活拠点としては他を検討する必要がなくなってしまいました。