勝ち組カップル様の奴隷~⑤敗者のバレンタイン~
【登場人物】
・啓太:果歩の元カレ。大学2年生。大学1年生の時に出会った果歩と1年間ほど付き合うが、大輔に乗り換えた果歩にフラれる。それでも果歩の傍にいたいとの思いから、果歩と啓太の奴隷となる。運動神経は皆無で勉強はそこそこ。
・果歩:啓太の元カノであり、今は大輔の彼女。大学2年生。1年間ほど付き合った啓太を捨て、大輔に乗り換える。
・大輔:果歩の現彼氏。大学4年生。中高大とサッカー部に所属しており、運動が得意。来春からは大手企業への就職が決まっている。
翌朝、僕は指定された時間よりも早く果歩のマンションに到着した。彼女が出てきた瞬間、昨日の電話の記憶がフラッシュバックし、全身が硬直した。昨日の果歩の声、大輔の低い笑い声、そして、二人の肉体が交わる音が、脳裏に蘇り、胃が締め付けられるような感覚に襲われた。
「啓太くん、おはよう!早いね。さすが、優秀な奴隷じゃん笑」果歩は、嘲るような笑みを浮かべ僕を見下ろした。その笑顔は、かつて僕に向けられていた優しい微笑みとは全くの別物で、僕の心を抉る鋭利な刃物と化していた。
「果歩は大学の課題あるから啓太くん掃除よろしくー。 」
部屋に入ると、昨夜の生々しい熱気がまだ残っているようだった。リビングのテーブルには、空になったワインボトルと食べかけのチーズが放置されていた。ソファには、果歩のブラウスと大輔のシャツが無造作に脱ぎ捨てられている。床には、破れたストッキングが転がっていた。
深く息を吸い込み、僕は掃除を始めた。テーブルを拭き、ゴミをまとめ、床に落ちている衣類を拾い集める。果歩のブラウスを手に取った時、彼女の香りがかすかに残っていることに気づいた。複雑な感情が胸を締め付ける。
ベッドに目を移すと、ベッドシーツは乱れ、枕には果歩の長い髪が絡まっている。使用済みのコンドームが足元に転がっていた。僕は目を背けたかったが、これが僕の仕事だ。
ゴミ袋を手に取り、震える手でコンドームを拾い上げる。吐き気が込み上げてくるのを必死に堪えながら、ゴミ袋に詰め込んだ。
「あ、啓太くん。」果歩は、まるで猫を弄ぶかのような残酷な笑みを浮かべながら、僕に近づいてきた。「そこにある大輔くんのパンツ…それと、このシーツも洗っといて。あ、コインランドリーお金かかるから手洗いでよろしく笑」果歩は学生寮に住んでいるが、共用のコインランドリーがあるだけで部屋に洗濯機は無い。彼女は、ベッドを指差し、昨夜の行為の痕跡が生々しく残るシーツを、まるで戦利品のように誇示した。 僕は思い足取りで、ベッドのシーツを外しにかかる。
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