勝ち組カップル様の奴隷~⑥二人のATM~
【登場人物】
・啓太:大学2年生。大学1年生の時に出会った果歩と1年間ほど付き合うが、大輔に寝取られてフラれる。それでも果歩の傍にいたいとの思いから、果歩と啓太の奴隷となる。運動神経は皆無で勉強はそこそこ。
・果歩:大学2年生。1年間ほど付き合った啓太を捨て、大輔に乗り換える。
・大輔:大学4年生。中高大とサッカー部に所属しており、運動が得意。来春からは大手企業への就職が決まっている。
大輔は僕の頭を小突いた後、ソファから立ち上がり、僕を見下ろした。「おい、啓太。チョコ食べてしょっぱいもの食べたくなったからマック行ってこい。」
僕は顔を上げ、大輔の顔を見つめた。「…はい、大輔様。何を買ってくれば良いでしょうか…?」
「ビッグマックのセット、飲み物はコーラな。 」
「果歩のは分かるよね?いつものやつー笑」
僕の心は、まるで氷水に突き落とされたように冷え切った。果歩の好きなサムライマック。それはかつて啓太と果歩が二人でよく食べた、思い出の詰まったメニューだった。
「…か、かしこまりました…」
僕はマックへと向かった。冷たい夜風が僕の心をさらに冷やしていく。マックのカウンターで注文を終え、商品を受け取る。
マックの袋を手に店を出た僕は、冷たい夜風に頬を撫でられながら、マンションへの道を歩き始めた。
その時、スマホの通知音が鳴った。LINEのメッセージが届いたのだ。差出人は大輔だった。僕は、嫌な予感を覚えながらメッセージを開いた。
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