神様になったいたずらタヌキ⑥
吾作どんは事件のなりゆきを考えていました。
(きっと、ポン太のしわざだな。
困ったことをしたな・・)
実はポン太は、吾作どんと友だちです。
ポン太は、いたずら好きな子供のタヌキです。
人間がウサギやリスを捕まえると、得意の魔法を使って、山の中で道に迷わせたりします。
葉っぱや枝を、けものに変えて悪さをした人間たちを追いかけまわしたりもします。
村人がタヌキ狩りを始めたら、その後は、キツネやウサギにも同じことをするようになることでしょう。
吾作どんは、猟師ですが狙うのはクマだのイノシシといった大型の動物だけです。
山に食べ物が少なくなる冬は、クマやイノシシが村に現れます。
そうなると、畑を荒らすだけでなく、村人を襲うこともあります。
吾作どんは、人間と山の動物たちが、仲よくすることを願っています。
大きい動物が増えすぎることは、人間にも動物にも危険なのです。
「わかりましたわたしに、任せてください」
吾作どんは、力強く言いました。
今夜、ポン太を捕まえたらうんと叱るつもりでした