第三話⑥
「このにおいが、そうなんだね、覚えたよ。でも本当に雪が降るのかなぁ、こんなに暖かいのに」
「降るかもしれないよ。何年か前にも同じようなことが、あったからね。あの時は、すごい雪だったのよ」
「ねぇルルどうする? 雪だって!」
「どうするって言われても僕には、わからないよ。でも雪ってどんなんだろう?ちょっぴり楽しみだな」
「のんきなことを言っている場合じゃ ないよ。雪はね、降っている時は、きれいだけど止んでからが大変なの。すごく冷えるからね」
「えっ!きれいなの?」
「ええ、とてもきれいだよ。でもね、調子に乗って雪の中を飛び回ったりしちゃだめよ」
「だめなの?」
「ぜったいだめ!風邪を引くからね」