第三話⑰
「ルル よーく お聞き。さっきも言ったろう? そんなことしたら、もうお母さんにも、リリにも会えなくなってしまうのだよ。いまはもうこれ以上、ここにいてはだめだよ。ルルは、もう一人前の男になったのだろう? さあ!元の世界にもどりなさい」
「いやだ!ねえ、もうちょっといいでしょう? あと少しだけ」
「おやおや?ルルは、もうわがままを言わないのじゃなかったっけ?
そうだ!父さんは、ルルに言わなければならない事があったんだ」
「なあに? なにを言い忘れたの?」
「これはね、ルルが飛べるようになっって、一緒に南の海に行った時に、
言うつもりだったんだ」
「ぼくもう飛べるよ!」
「そうだね、ルルは、もう立派に飛べるよね」
「うん!ぼくね!いっぱい練習したんだよ!」
「そうだね!よくやったね!ルルは、どうして父さんがルルとリリという名前を付けたのか分かるかい?」
「分からない、分からないけどぼくはこの名前が大好きだよ」
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