第二話⑥

「ブロンコ！どうしたの？」
カラスのブロンコは 、ルルの友達です。プ ロンコは、ルルに呼ばれるとすぐに近づいて来 いて来ました。「ルルあそこを見てごらん」
プロンコに言われて ルルがはるか下を見ると、何か黒いものがあります。
「なに？あれは・・」
「仲間さ・・今朝 死んでいたんだ」
カラスは、普通こんな場所で死にません。人間に見つかりにくい、山の奥を選びます。何か事故にあったのかも知れません。
「ここが僕たちにと って危険かどうかを調べているんだ」
カラスたちが鳴いているのは、悲しいからだけではありません。
「みんなで 何があったのか話し合っ ているんだ」
ルルは びっくりしました。
(カラスさんてすごい！)
ルルは、心の中で感心しました。
「僕たちはね 僕たちに酷いことをした人の顔は、忘れないんだ」
ブロンコは、真面目な顔で言いました。
「それだけじゃないよ。そのことを仲間たち全員に 知らせるんだ」
ブロンコ の言う通りです。カラスは大昔から人間の近くで暮らして来ました。 人間から教えてもらったこともたくさんあります。でも人間との暮らしは苦しいことの方が多かったのです。