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神様になったいたずらタヌキ⑪

「うん?お前さんは、留吉どんじゃないか!」
男は、顔をそむけましたが星あかりでも、はっきり見えたのです。
吾作どんは、鉄砲を構えたまま近づきました。
そして、顔をのぞきこんで確かめました。
間違いなく留吉どんです。
「ごめんなさい、許してください」
留吉どんは、小さな声で、あやまりました。
今朝、村長さんの庭で
「畑を荒らしたのはタヌキだ!」
と大声で怒ったあの人です。
留吉どんは、畑荒らしをタヌキのせいにしたのです。
留吉どんは若いのに、なまけ者でした。
雨が降ったとか風が吹いたと言って、ちょくちょく畑仕事を休みました。

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