草いきれ
駅までの散歩道。
むせるような草の匂いがもわっと立ち込めている。
ふと「草いきれ」という言葉浮かんできた。
この言葉、あったかな・・・
最近使っていない言葉は、ふとその存在さえ忘れてしまう。
でも、このむっとした青臭い臭いと、湿っけた土の匂い・・・
遠い昔の記憶が脳裏をよぎる。
実家の横のせまい路地の匂い。
雨が降る前は、なま温かい空気とともに土の匂いが立ち込めてきて、
ああ、もうすぐ雨が降る…見上げた空はどんより灰色で黒い雲が覆いかぶさっていた。
サギ草の花の白が唯一の明るさ。
匂いは、一瞬で記憶の蓋を開ける。
パンドラの箱が開くように、封じ込めていた記憶が飛び出てくる。
コロナ禍で家に引きこもり、最近はzoom漬けの毎日。
湿度と、温度の上昇で草むらのおんどが上昇。
それが「草いきれ」言わば、植物の体臭のようなもの・・・
五感を磨く…そんな懐かしい言葉が浮かんできた。
昔、東京で「五感を磨きココロとカラダを癒す」という学校の校長をしていたな~~!!
癒しのブーム到来の2000年。
専業主婦から、アロマセラピストになる人が多く、そんな起業し始めの先生を探し出してはセミナーをしてもらっていた楽しい時代。
AIが台頭し、いまや人間の仕事はAIが出来るようになってしまった。
でも、この五感はまだまだAIは追いついていない、人間にとっての最後の砦。
大事にしましょう!
感じるココロ、感性。
そこから生まれる言葉。
草いきれ・・・
むせるような・・・
AIよあなたには、まだ分からないはず。
そのうち、これも追いついてくるのかな・・・
言葉、感じることから生まれてくるもの。
日本人は、特にこの繊細な感性と、特殊な脳のお陰で虫の声まで聴き分けることが出来る。
だから、日本語は語彙が豊富。
日本語を流暢に話す外国の方には敬服します。
こんな難しい言語をマスターできるなんて・・・
余程の日本好き。
オーバーツーリズムのマナーの悪さには辟易だけど、
日本文化をリスペクトしてくれる外国の方には敬服あるのみ。
「草いきれ」から話が広がりすぎ(苦笑)
これも、匂いの刺激のせい?
自然と、言葉は大切に・・・