010: 『最近の仏壇は液晶パネルを組み込んでいるの?』

2023年1月25日(水)の備忘録② 2 of 2

 香炉がひと回りすると、今度は宝の入った綺麗な壺が出てきて、中から金銀財宝がザクザクと湧き出してきて仏壇からこぼれて、宝物が畳の上に散らばり「金貨だ、銀貨だ、プラチナのチェーンだ、ルビーだ、エメラルドだ、サファイヤだ、真珠だ、サンゴだ、あんな大粒のダイヤモンドなら1個で数億はするぞ!」「あ、このまま片付けないで寝たら翌朝、母親に怒られそう」と、余計な心配までしてしまいました。

 宝の壺がひと回りすると丸い台がせりあがってきます。回り始めると台に座った白い象が長い鼻と片足を上げて芸をしているように見えました。白い象は写実的ではなく、昔の日本の絵師が見たこともない象を、話を聞いただけで書いたような『夢をかなえるゾウ』の表紙の様なヘタウマ絵画的な描写でした。

 当時、後で気になって、ネットで調べたんですが、インドに『ガネーシャ』という象の頭を持つ神様がいるのを初めて知りました。白い象がひと回りすると、また阿弥陀如来が出てきて元の仏壇に戻りました。

 畳の上に散らばった財宝も消えています。たった今、目の前に起きた、超絶スペクタクルに呆然とした僕は、そのままずーっと、阿弥陀如来を見つめていましたら、今度は手で私を優しく払うようにしました、「もう、遅いから寝なさい。」と言われているように感じて、「あ、いいのね?もう、寝るのね?」時計を見ると午前2時か3時を過ぎていたように思います。そこから先の記憶がありません。次に気が付いたら真っ白い世界の中にいて、だんだん周りの景色が見えるようになって来たら、地元の精神病院に入院していて隔離病棟の食堂の食卓について座っていました。テレビの音がしたので見ると、ちょうど『紅白歌合戦』で北島三郎が『祭り』を歌っているところでした。「大晦日がもうすぐ終わるのか?あれ、西暦何年の年越しだ?」最初に「体調を崩して実家に帰省していた」と言いましたが数か月前に精神を病んで入院した後に実家で暮らしていたんです。

 前に一度、精神病院に入院したことがあるから「以前とは違う病院の精神科病棟に入院してしまっている」と、気が付いたんです。入院前後で経験した不思議なお話は別の機会にお話しします。それから数年後、福祉施設のスタッフさんが、若い頃から透けている人(幽霊)が見える能力がある方でして、不思議な話は頭から否定的には捕らえない方なので、この話をしてみました。そうしたら、こう言われました。「ワシが普段見るのはそういうのではないけど、〇〇ちゃん(僕)。それ、ホンマもんを見たのとちゃうか?(大阪弁)」

 現在は症状も消えて就職もしています。統合失調症による『幻覚妄想状態』と診断された障害者の話ですが、出来るだけ真摯に記憶に忠実に記載したつもりです。信じてもらえなくても構いません。

ありがとうございました。

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