014: 『頭のおかしな男の昔話②』

2023年1月26日(水)の備忘録② 2 of 3

 僕は橋の上の霊がいるところに着くと、持ってきた『タバコ』に火を1本付けて地面に置きました。そして、僕はタバコが吸えないので、代わりに、彼にタバコに火を付けて吸ってもらうようにお願をしました。「花火して遊ぼうよ」僕はワクワクしながら独り言をつぶやきます。それから、僕は花火セットの手持ち花火に次々と火を付けていきました。花火から赤い炎がパぁっと出て「赤い炎はお不動様のイメージがするなぁ」と思いながら一人で花火を遊び始めました。「一緒に遊んで?」僕が霊感の強い友人に花火を持たせると、タバコを吸っていた彼が「うん、うん、あー、そうなんだ」とブツブツ喋りだして、見えない誰かと話をしているようでした。

 全ての花火の炎が燃え尽きるのを見届けてから、僕は彼に「誰と何を話しているの?」と聞きました。すると、彼は「ここではちょっと、とりあえず俺のアパートに着いてから話すよ」と、答えました。二人でアパートにつくと、霊感の強い友人は親子の霊が成仏してしまったと話してくれました。そして、男女四人の霊がこれまでいじめて遊んでいた親子が成仏して、いなくなったのを見て怒り出したそうです。そこで、彼は男女四人の霊に睨みを利かし牽制しながら避難したのだそうです。見えない僕は安全運転でアパートまで移動ができました。先ほど彼が幽霊との会話の内容を教えてくれました。ほとんど男の子の父親と話をいたそうです。最初に僕たちが近づいていくと「何しに来た。こっちに来るな。」と父親は男の子をかばいながら怒りをあらわにしていました。ですが、僕が花火に火を付けると、男の子の霊が喜んだそうです。父親の話によると、男の子はまだ学校に上る前で重い病気にかかり亡くなってしまったそうです。夏になる前に男の子は、もう一度だけ花火で遊びたいと言いながら亡くなってしまったそうです。男の子は一人っ子でした。子どもが亡くなったことで夫婦はすれ違い、関係に隙間風が吹くようになり、離婚をしてしまったそうです。父親は事業を経営していたそうですが、子どもの死と離婚で仕事に身が入らなくなり会社をたたんだそうです。会社をたたんだ後に、彼自身も病気にもなり生きる希望を失った父親はみずから命を絶つ選択をしたそうです。この世を去った父親は息子がまだ成仏していないことを知りました。父親は息子を探し回り、やっとのことで見つけると、まだ幼い男の子だった霊の息子は質の悪い大人の幽霊たちに追いかけまわされて、いじめられて泣いていたそうです。父親は息子が成仏するまでは自分も成仏などできないと決心したそうです。そして、これまで息子を守り続けてきたそうです。男の子はもう一度花火で遊びたいという未練をこの世に残し成仏できずにいました。僕が男の子の霊の目前で花火をしたことにより未練が解消し成仏できたそうです。父親の霊は息子が成仏したのを見届けたので、成仏すると言っていたそうです。そして、父親の霊は『見えない彼(私の事)』に礼を伝えておいてくれ、と伝言を霊感の強い友人に伝えて成仏して逝ったそうです。すると・・・

(つづく)

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