火傷による頭部の傷跡に対する自毛植毛:劇的な改善をもたらした成功例

こんにちは、植毛ドクターの笠井です。今日は特に心に残っている症例をご紹介したいと思います。子供のころに火傷を負い、頭部に広範囲な傷跡が残っていた患者さんに対し、2回にわたる自毛植毛手術で劇的な改善を実現したケースです。この成功例は、植毛の可能性と効果を改めて実感させてくれたもので、皆さんにぜひ知っていただきたい事例です。

患者さんの背景と初回カウンセリング

この患者さんは、幼少期の火傷によって頭皮に大きな傷跡が残り、毛髪が全く生えなくなっていました。長年、その傷跡を隠すために帽子を着用し、日常生活を送っていたそうです。彼の一番の願いは、できる限り自然な形で傷跡をカバーし、自信を取り戻すことでした。

初回のカウンセリングでは、傷跡の状態や頭皮の健康を詳しく確認しました。火傷による傷跡は通常の植毛とは異なり、移植毛の生着率や治療の難易度が高くなります。しかし、患者さんには健康なドナー部位があり、慎重に計画を立てることで十分な改善が期待できると判断しました。

続く手術では、彼の希望に応えるため、繊細な技術を駆使して手術を行いました。その結果、自然な仕上がりを実現し、患者さんも大変満足されていました。植毛は、単なる外見の改善に留まらず、自信や日常生活の質を向上させることができる素晴らしい治療法です。このような事例が皆さんにとって、植毛の可能性を考えるきっかけとなれば嬉しいです。


第1回目の植毛手術:600グラフトの移植

最初の手術では、後頭部の健康な毛髪から600グラフトを採取し、火傷の傷跡部分に移植しました。傷跡の広範囲にわたって毛髪を分散して移植することが、この手術のポイントでした。移植した毛が均等に成長し、自然な見た目になるようにデザインしています。

手術は成功し、術後の経過も順調でした。数か月が経つと、移植毛がしっかりと定着し始め、少しずつ成長が見られるようになりました。これにより、傷跡が徐々にカバーされ、患者さんも希望が見えてきました。

第2回目の植毛手術:750グラフトの追加移植

初回の手術から約1年後、さらなる改善を求めて第2回目の植毛手術を実施しました。今回は750グラフトを追加で移植し、初回で改善された部分をさらに補強しました。この手術では、より高密度な仕上がりを目指し、毛の向きや角度を細かく調整して、最も自然に見えるように工夫しました。

手術は無事に終了し、患者さんはその後の経過を楽しみに待つこととなりました。

8か月後の結果:劇的な改善と自然な仕上がり

第2回目の手術から8か月が経過すると、患者さんの頭部は劇的に改善されました。傷跡はほとんど目立たなくなり、毛髪が自然に生え揃ってきました。驚くべきことに、移植された毛髪は周囲の自然な髪と見分けがつかないほど調和しています。

髪をくしで梳かしても、どこが移植された部分なのか全く分からないほどの自然さです。患者さんはもう帽子を必要とせず、自然な髪型で自信を持って生活できるようになり、本当に満足していただけました。

この症例は、火傷による頭皮の傷跡をカバーするための植毛手術がどれほどの効果を発揮できるかを示す、素晴らしい成功例です。

↓はその他の僕が植毛した傷痕の症例の一部です

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