サイボーグ化

 この頃暑いかとても暑いかの二択であるがこのような季節の昼に外に出ることはもはや自傷行為にすら近い。
 幸いテレワークという再々利点を活かして、日によっては全く家から出ないでいることもできたが、その分、1回の外出にかけるコストは日々高くなっているような気がする。
 先日もそのせいか、連続での外出が続いて疲労が回復しないうちに水を飲まないでいたものだから、ひどい頭痛をやらかしてしまった。
 あれは本当に酷く、歩くとその振動で脳が響くような状況だった。
 俺にとって頭痛薬は生涯切って離せない存在である。ただでさえ頭痛持ちのため、これを忘れてしまって、発症した時は目に当てられない。
 バファリンではあまり効果を実感しない。カロナールでやっとである。 ロキソニンは前に処方を頼んだときに「今は需要がありすぎて手に入らないよ」と医者に言われた。それ以降にストックが切れたっきり、特に手に入れようと思ったことはない。
 頭痛はいわば宿業とも言うべきか。発症している時は生きながらにして地獄にいるような思いになる。
 
 きっとこんな時にサイボーグ化していたら、そうした痛みや不健康なことと無縁でいられるのだろうとつい考えてしまう。
 
 例えば、頭痛は頭の血管が拡張されることによって引き起こされるのならば血管を収縮させる効果のあるホルモンを分泌するとか、そもそも血糖値をモニタリングしていて、常に明晰でいられるようにコントールしたりなど。
 他にも、草薙素子がGhost in the Shellのワンシーンで、洋上で酒を飲んだ時、すぐにアルコールを分解して素面に戻れると言っていたことももし実現するならばすぐにでも欲しいと思う。 
 そしていつか脳内物質の分泌をも制御して、ありとあらゆる精神疾患や発達障害と言われているようなものを無くし、、、は実現されるまでだいぶ時間はかかるだろうけれど平均的に健康な人間を作ることも可能になるだろう。

 サイボーグかとそうでないものの差があるとしたら身につけられるか否かだろう。今は大掛かりな医療機器や薬で実現していることをいつかウェアラブルなものとして実装した時、人は本当の意味でサイボーグになることができるのかもしれない。

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