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アートな私が、社労士資格を取ったわけ②

唐突ですが、「過労死ライン」って知ってますか?

1ヶ月間で100時間残業すると、過労死または心身に悪影響が出るから企業は気をつけようね、とお国が決めたやつです。

詳しくは「労働基準法」や「過労死等防止対策推進法」を参考にしていただければ良いのですが、

これにまつわるある体験が、社労士受験のモチベーションになってたなあと思い出したので、今回はそれを文字にしてみようと思います。

社労士受験の勉強をしているとき

「過労死ライン」について初めて聞いたんですが、そのときの私の印象は、
「え、100時間ってけっこうすぐだよね、、、」というものでした。

実際、残業100時間ってどんな働き方か、具体的な数字に落としてみるとわかりやすいです。
たとえば、9~18時・週5日(休憩1時間)の勤務+毎日5時間残業し23時に仕事を終えるパターンだと
残業5時間×5日×4週間=合計100時間 になります。
もう一つの例をあげてみます。
毎日3時間残業で21時終了、さらに毎土曜日にも休日出勤をすると
(残業3時間×6日+休日8時間)×4週間=合計104時間 です。

文化芸術系のお仕事の方なら、ちょっと想像してもらえるとわかるかなと思うんですが、劇場勤務のスタッフだと手待ち時間も労働時間とみなされるので、割とすぐに月100時間超える可能性があるんですよね。
いっぽう、フリーランスは法定労働時間のルールはあてはまらず、残業という概念もないのですが、仮に毎週公演スタッフとして劇場入りすると考えた場合、劇場スタッフ以上、またはほぼ同じくらい長時間働いていると言えるでしょう。

で、自虐自慢になるので、これまでほとんど人に言ったことはないのですが、実は私、その昔、

「過労死ライン」レベルで働いたこと

があります汗

結構、やれちゃうんです。ほんとに。
というか、やれてると思ってるんです。そのときには。
けど、今ならわかる。。。それヤバいよ、って。

確かに体力的にはなんとかなるのですが、
ずーっとトップスピードで働いていると、アドレナリンが出続けていろんな部分が麻痺してしまうんですよね。
自分ではまだまだ元気と思って(麻痺しているからわかっていない状態)いても、精神的には大分やられているし、身体的にもいろんなところに支障が出ている。

アドレナリンは動物が身の危険を感じたとき、自分の身体を活動的にして危機にすぐ対処できるようにするためのホルモン物質です。だから、アドレナリンが出ているときはエネルギーが満ちあふれているように感じるのですね。
でも、実はその後が怖い。
アドレナリンは数ヶ月は出てても、ガクッと減少してしまう時期がやってくるのです。
そうなると、無気力、うつ状態に陥ってしまう恐れが。
思い起こせば、自分も心当たりが、、、だけど、やっぱり、そのとき自分で気づくことは到底できなかっただろうなとも思うのです。

「やりがいのある仕事は、疲れない」というのは程度の問題

かつ、個人個人の資質によるもの。
自分の心と体は誰のものでもなく、自分のもの。他の誰かと比べず、自分自身のノーマルでフラットな心身の状態を維持することが大事だと思うのです。

もしも、自分がいま携わる仕事を長く続けていきたいのなら、まずはそのための知識と行動変容が必要です。
倒れるまで頑張る自分を褒めるのではなく、自分に優しくできる自分を褒めてほしいと思います。

不規則で不安定な働き方をする芸術従事者の方々に、自身の心と体に耳を澄まし、目を凝らすことを実践していってほしいなと思うこの頃です。
これは私自身へのメッセージでもありますね。
「健やかに働く」「セルフケア」が最近の自分トレンドな訳です。

これでもまだ資格を取ったわけは説明しきれず、「わけシリーズ」はまだまだ続きます。。。

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写真は、昔お仕事で行った、L.A.のウォルトディズニーコンサートホール、今見ても圧倒されるお姿ですね。フランク・ゲイリーのデザインだそうな。

見た目はキラキラ、美しいものを見せてくれる劇場という空間にも、働く人たちは存在しています。

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