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偏差値教育の影響~日本人の野心を削いだ?

受験を経験した方は一度は「偏差値」ということばを聞いたことがあるかと思います。
A高校は偏差値50、B高校は偏差値70等のように学校を数値で表したりします。
偏差値とは統計学で使われる言葉で、ある注目しているものがそのグループの中でどの位置にいるかを示すもので、中央値は50です。
例えば各偏差値が全体のどの位置にいるかパーセンテージで表すと(詳細計算は割愛します)、
 偏差値80 上位0.1%
 偏差値70 上位2.3%
 偏差値60 上位15.9%
 偏差値50 上位50%…平均(ちょうど真ん中)
 偏差値40 上位84%
 偏差値30 上位98%
 ※偏差値70は上位2.3%以内にいるという意味になります。

この偏差値を使って学校のレベルを格付けし、自分のレベルは偏差値50だから、受験校として偏差値70の学校には到底届かない、偏差値60くらいの高校に挑戦しようか?等、偏差値に振り回された受験生活を皆さんもご経験はあるのではないでしょうか。
私自身も、目標高校の偏差値が70で、中学3年生のときに偏差値がなかなか上がらず、偏差値が67くらいの高校に変更することになりました。
たかが数値ですが、当時はなぜが敗北感を感じ、人生で初めて勉強で泣きました。
ただ、今思うとなぜそこまで偏差値にこだわったのだろうかと不思議に思うようになったことと、子供が大学受験、高校受験を迎えるにあたり、今一度偏差値って何だろうと考えるきっかけに
なりました。

ところで、偏差値いつ頃導入されたのでしょうか?
考案されたのは1957年に教育者、教員の桑田昭三さんという方が教員の勘に頼っていた進路指導に、信頼できる指標を導入することが目的で
考案されたようです。

ただ、実際に偏差値が導入されたきっかけは1980年代の学生運動を抑圧させるためだったことはご存じでしょうか?
私はよく大前研一氏の本を読みますが、「稼ぐ力」を読んだときにこのことが書かれており衝撃を受けたのを覚えています。

”首相になった中曽根康弘氏のアドバイザーを務めていたときに、私が「また学生運動が盛んになりませんか」と尋ねたら、中曽根氏は「心配いりません。学力偏差値を全国的に導入して、政府に逆らう学生が出ないようにしていますから」と即座に言った。”

「稼ぐ力」より

ちなみに気になって調べたのですが、海外では大学や高校等を偏差値で格付けする国はないようです。
ある東大生が、海外で鼻高々と「自分は偏差値75だ」と言ったところ、「あなたは統計学者なのか?」と尋ねられたという笑い話があるくらいです。

大前研一氏は世界的に有名なコンサルタントですが、これまでに戦後日本を作った著名な経営者の方たちをコンサルタントの立場で支えてこられて
きましたが、そのときのエピソード「名経営者秘録」を読んで、戦後の日本の方たちはなんて自由で勇気があり、行動力があるんだろうと思いました。

この事実を知り、本物の生き方って何だろうと考えるようになり、それを記録するためにNOTEを始めることにしました。

今大学受験、高校受験を控える子供たちには、偏差値教育の在り方と事実を伝え、また自分が偏差値に振り回され、苦労してきた経験も伝え、とりあえず偏差値で志望校を選ばせることはしないようにしています。
人間ってもっと自由に生きていいのではないでしょうか?
みなさんどう思いますか?

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