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サイクリストの聖地 しまなみ海道サイクリング旅

今回のぷらっと旅は、サイクリストの聖地、しまなみ海道にサイクリングに行ってきました。いつも通り、日帰りで夕方までには名古屋の自宅に戻るという時間的制約がついた旅行です。

しまなみ海道のサイクリングロード とは

まず、しまなみ海道のサイクリングロードについてですが、本州の尾道市から、四国の今治市までの7つの島を含む海峡の区間、約70kmを渡し舟と橋、一般の道路で構成されるルートを、サイクリング用に整備したものです。
同時にレンタルサイクルも充実しており、 一般社団法人しまなみジャパンがレンタルサイクル屋を運営しており、両端の尾道と今治を含め10箇所、貸出・返却ポイントがあります。もちろんこの社団法人以外にも、民間のレンタルサイクル屋は充実しており、サイクリングの環境はかなり整っていると言えます。

5:55AM

さて、今回の旅の始まりは、自宅から数キロのJR中央線千種駅から。もっとも早い電車で尾道へと思うと、この時間となりました。11月の中旬でしたが、この季節だと、まだ日も昇らず暗い。5:55発の列車でまずは名古屋駅に向かいます。

旅の始まりのJR千種駅ホーム

新幹線で新尾道へ

名古屋駅からは、新幹線で西へ。名古屋始発の、のぞみ75号博多ゆきです。今回は、二度寝をしたいと思い、グリーン車にします。
私は比較的、デジタルなほうがあればそちらのサービスを使いがちなのですが、いままでJR東海の、EXアプリを使ったことが無く、今回初めて使います。さらに購入したきっぷはApple Watchにいれて使いました。もともとApple WatchにはSuicaを入れており、JR在来線や地下鉄などに乗るときには使っており、またJR東日本の新幹線や、在来特急、在来線のグリーン車ではiPhoneのSuicaアプリを使ったりしてますが、Apple Watchで新幹線に乗るのは初。使用の感想としては、あっさりすぎて感動しないぐらいあっさりでありました。
新尾道駅は、基本的には「のぞみ」や「みずほ」といった速達タイプの列車は止まらないので、岡山駅で「こだま」に乗り換えていきます。乗り換え後のこだまには、グリーン車の設定はなく、普通車指定席となりました。

岡山駅でのぞみ号からこだま号へ乗り換え

尾道は駅前がすぐ海

新尾道駅は尾道駅の北に10kmほどと離れており、次の目的地となる尾道港のレンタルサイクルの貸出スポットは尾道駅前の尾道港にあるため、タクシーで移動です。タクシーで走っていると、サイクリストがチラホラ。クルマにとっては運転がしにくそう。在来線の山陽本線の尾道駅は、駅舎が新しく、改札を出た目の前はすぐ海で、なんだかテンションが上がります。

尾道駅前 駅舎は新しい

尾道駅前でレンタルサイクルを借りる

尾道駅から徒歩4分ほどのところに、一般社団法人しまなみジャパンが運営するレンタルサイクルの貸出・返却ターミナルがあり、そこで自転車を借ります。今回は、スポーツタイプの電動アシスト自転車E-bikeを借りました。通常の自転車はもとより、タンデム自転車など、ラインナップは豊富です。
通常の自転車は、この尾道駅前のスポットを含め10か所のターミナルで貸出返却が可能ですが、E-bikeはこの駅前と、今治(サンライズ糸山)のみとなります。
事前に、しまなみジャパンのサイトから予約をしており、利用規約にサインし、レンタル代とデポジット?を支払い、自転車の使用方法についての説明を受けます。私は自動車の免許を取るまでは、自転車も持っていましたが、いまとなっては乗ることもあまりなく、また自転車を持っていた時はそれほど電動アシスト自転車は普及しておらず、初めての電動アシスト自転車でした。ひととおり説明を聞いた後、試運転がてら、まわりを一周たのちに、すぐ近くの向島ゆきの渡し舟が接岸する桟橋まで、アシストの強弱を調整したり、ギアチェンジをしたり、あれこれ確かめながら、漕いでいきます。

尾道駅前の、古い上屋をリノベした建屋。横浜赤レンガのような

「駅前渡船」で向島へ

尾道から次のポイントとなる向島へは駅前渡船という渡し舟で渡ります。所要時間が短いため、1隻でのピストン運用で時刻表すらありませんが、待てば十数分で来ます。渡船料は、ひとり100円、自転車10円の、計110円。船に乗ったら船頭さんに支払うパターンです。本州から向島はかなり近いのですが、この渡し船の向島側の桟橋は少し奥まった富浜というところにあり、運河のようなところを航行して5分ほどで到着です。

駅前渡船の船上から見た尾道駅前の街並み

いよいよサイクリング開始

向島で渡し船を下船すると、いよいよサイクリングの始まりです。サイクリングロードとして設定されているルートには、青い線が引かれており、これに沿って行けばまず迷うこともなくサイクリングが楽しめます。強いて言えば、いま自分がどこら辺にいるのか、もしくはこのペースで行って予定通りなのか、たまにスマホでGoogle Mapを見るぐらいで、基本的には地図は必要ありません。E-bikeのアシストは最大値の「5」に設定し、ギアは適宜使い分けながら進んでいきます。平坦な道で、普通に漕ぐとこの電動アシスト自転車は、だいたい25㎞/hほどの速度が出ます。もちろん下り坂であれば漕がなくても40㎞/h近く出ますし、逆にきついのぼりでも10㎞/hぐらいであれば簡単に出ます。サイクリングロード上には、おなじくサイクリングを楽しむ人がたくさんいましたが、だいたいのサイクリストよりは速いペースでした。

向島から因島へ

向島から因島へは、因島大橋で海峡を越え、渡ります。サイクリングロードは、だいたい海沿いの平坦な道が多いのですが、橋を渡るとなると高度を上げるため登りがきつくなります。反対に橋を通過した後は下りとなり、アップダウンがあるのは、ほとんど橋の近辺です。サイクリングロードは、自転車専用というわけではなく、高速道路を走れない125㏄以下のバイクや原付も使いますし、自動車が来ない分、道も細いので、それなりに注意をする必要はあります。

因島大橋 サイクリングロードには青線が引かれている

因島から生口島へ

そして因島から生口島へ渡ります。こちらも同様に、橋で海峡を越えるパターンで生口橋という橋が、因島と生口島を結んでいます。因島もですが、このへんは造船工場がたくさんありますね。

因島から見た生口橋

生口島では

今回のサイクリングでは、生口島にある瀬戸田港からフェリーで、また尾道に戻ります。生口島に到着したのが、11:30AM。フェリーは13:25PMに瀬戸田港を出港のスケジュールなので、生口島で少し時間をつぶしつつ、探索することにしました。ここまでの向島と因島は、サイクリングロード沿いにそれほどお店やカフェなどの飲食店は多くもなく、せいぜいコンビニに立ち寄るぐらいで観光っぽいことを少しはしたい気にもなってきていました。

ドルチェ 瀬戸田本店

生口橋と瀬戸田港のちょうど中間ぐらいに、このお店はあります。サイクリスト御用達のお店で、他のブログを書いている人や、YouTubeで動画を上げている人は、だいたいこちらに寄っています。ジェラート屋さんですがどら焼きなどのスイーツもあり、店内には飲食のスペースもあるカフェのような形態のお店です。せっかくだからご当地物をということで、瀬戸内レモンのジェラートと、伯方塩ミルクアイスのダブルを注文しました。屋外テラスでも食べられるようになっており、道を挟んで向こう側はすぐ海という席でいただきます。

ドルチェのジェラート

しおまち商店街

ドルチェを出て十数分、耕三寺というお寺が見えてきます。このお寺から瀬戸田港の目の前までの600mほどがしおまち商店街となっています。その他多くの商店街と同様に、この商店街も昭和感が出ています。ただシャッター商店街になってしまってはおらず、かといって平日であるのも相まってそれほどにぎわっているわけではない、といった感じでした。地元民が通う商店が、というよりはサイクリストをはじめとする観光客相手の土産物屋やカフェなどの飲食店がほとんどです。

しおまち商店街 耕三寺側の入り口

岡哲商店でコロッケ

商店街のお店の中でも最も人だかりができたいたのが岡哲商店でした。おそらく本来は精肉店だと思われますが、いまは観光客向けのコロッケ屋さん。サイクリング中のおやつに、と自転車で来る人たちが次々と、買っていきます。

岡哲商店のコロッケ

yubuneで汗を流す

商店街のなかにyubuneという宿と銭湯を兼ね備えた施設があります。こことこの向かいにある宿「Azumi Setoda」は、ラグジュアリーリゾートホテルチェーンのアマンリゾートの創業者であるエイドリアン・ゼッカ氏が手掛けたという小ぎれいなところでまだ新しく、銭湯のほうは宿泊をしなくとも入れるということで、少し汗をかき、かつ疲れを癒すためにも入ってみることにしました。
銭湯の中は、タイル張りで芸術的にもきれいにしてあり、欧米人からみた”Sento”の世界観といった感じで、和の雰囲気のなかにも、どこか西洋の感じがする、そんな内装となっていました。設備としては、湯舟がふたつと水風呂がひとつ、そしてサウナと洗い場で、いたって普通です。露天風呂はなく、内風呂のみで昔ながらの銭湯っぽさが表れています。ちょっと特徴的だなと思ったのが、サウナと浴室の間に空間があり、その部分は壁の上のほうが無く、外気にさらされているところがありました。少しだけ植栽があり、ベンチもあり、外気浴もできるようになっています。
今回はほかにお客さんがおらず、貸し切り状態でした。

Azumi Setodaと商店街の道

玉木商店でローストチキン

銭湯から上がった後、まだ尾道行の船の出航時刻まで時間があったため、同じく「しおまち商店街」にある、玉木商店でローストチキンを買いました。ここのローストチキンはテリヤキっぽい甘辛さのあるタレで焼き上げられ、食べ歩きもできるよう、1本から販売されています。

玉木商店と今回乗ったレンタルeBike

瀬戸田港から尾道港へ

いい時間になってきましたので、生口島内の瀬戸田港へと向かいます。
瀬戸田港から尾道までは、瀬戸内クルージング社が2時間おきぐらいの運行頻度で船を出しており、途中の島々など数か所に寄港しながら尾道港まで40分ほどの航海時間です。船賃はヒト1,300円、電動自転車600円、今回乗船した船は「シトラス号」という船名でした。

瀬戸田港に入港していくシトラス号(黄色の船体)

名古屋へ

尾道港に到着した後は、朝借りた尾道駅前のレンタルサイクルを同じ場所で返し、タクシーに乗って新尾道まで、そしてそこから新幹線で名古屋へと、来た道をそのまま逆のルートで戻ります。帰りは時間がタイトすぎて、途中どこにも寄ったり途中下車をしたりが出来ず、少し名残惜しいような、遊び足りないような気分となりました。
今回のタイムスケジュールは、こちら。
 5:55-6:06 千種~名古屋 中央線
 6:20-7:55 名古屋~岡山 のぞみ75号
 8:10-8:39 福山~新尾道 こだま839号
 8:45-9:00 新尾道~尾道港 タクシー
   9:30-13:00  尾道港〜瀬戸田観光案内所 サイクリング 中級コース
 13:25-14:09  瀬戸田〜尾道駅前 フェリー8便
 14:20-14:30  尾道駅〜新尾道駅
 14:48-14:56  新尾道〜福山 こだま850号
 15:06-16:58  福山〜名古屋 のぞみ34号
 17:07-17:17  名古屋〜千種 中央線

旅を終えて

今回もまたせわしない旅ではありましたが、かねてから行きたいと思っていた、しまなみ海道サイクリングを楽しむことができ、またちょっと食べたり、風呂入ったりと、満喫できる旅行でした。
また時間が出来たら、次回は逆に、四国側の今治から今回のサイクリング終点であった瀬戸田港まで行き、2回に分けてしまなみ海道完走、を目指したいところです。

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