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ドラえもんのいない世界に戻ってみて

とある旧帝大の医学部に願書を出して、後期日程でどういうわけか面接まで進んで、そしてセカンドレイプと同じ目に遭ったことを、前に何度か語りました。

今でもあまり具体的にはお話できません。私にとっては8年にわたる壮絶な旅の到達点でしたが、あの面接官たちにすれば、その時間はそもそも存在していないのです。ドラえもんの映画で、のび太くんたちがあの部屋から旅に出て、古生代地球で恐竜に食べられそうになったり、違う銀河系で荒くれ者と決闘したりと、トラウマになってしかるべき大冒険を味わった後、元の世界に戻ると出発した直後の時間で、おとなたちは彼らの経験に何も気づかないというのがパターンです。あれです。あの感覚でした。

みんな夢だった、いや狂気だった… なんのかんので地元大学附属病院で私は重症患者として扱われ、気を使ってもらいました。しかしそれもまた、あの面接官たちにとってはのび太のたわごとでしかなかったのでしょう。

かつて心の性別と身体的性別が不一致な人間は、しばしばピエロとして生きていくことを強いられました。あの面接の終盤で、私はピエロになりました。彼らは健全ゆえに何も伝わらないのなら、笑いものにされるほうが、まだましなのです。

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