健康診断ほぼグリーンライト、ゆえに心は痛みだす
血液検査と尿検査の結果は…問題なしでした。
「高血圧と体重がちょっと気になるねえ」と言われました。
後でよく見るとヘモグロビン濃度もわずかに少な目の値でしたが、医師からは何も言われませんでした。
特に異常はないよと言われた時はほっとしたのですが、その後、日差しのなかを歩いているうちにだんだん不機嫌になっていく自分がいました。
共感は頂けなかったなって。
何の共感かって? ずっと前のお話ですよ。指先が振るっていると言われたとき「ああこれまでだ、自分はもうこれ以上先には進めない、自動車教習所でどうしてもアクセルを踏みこめなかったときと、同じだ」と判断して、その日(土曜日でした)の夕に、母に伴われて町医者を数か月ぶりに訪れて、大学病院への紹介状を書いてあげるからと言われたときのこと、そこで検査を受けて、自分でも信じられないほどの重症判定をされて、それがかえって救いになったこと、さらにほぼ3年後、別の大学病院関係者より再びのハラスメントを受けて制御不能の錯乱状態に陥ったこと、そのハラスメントは別の医師、別の町医者によって味わったものと相似形で、アカハラでもあると後で気づいたこと等、ふだんは小さな結晶のなかに収めている諸々が、帰路にちくっとうずいたのでした。
そうそう業者テストを受けて全国順位何番とか偏差値なんぼとかを数値で見せられる感覚も、ちらっと蘇ってきました。
デジタル化されたほうがラクという気持ちと、どんな反論も違和感も数値で規格化されてしまうのかという思いが、心をよぎりました。
大学病院心療内科で重症判定されたときは、それがデジタルなものではなかったこともあってか、私には大いなる救いともなりました。
ああやっと子どもの頃から抱えていた、物理的にこれだと提示のしようがないものを、ようやくその輪郭をうまく撮影してもらえたんだなって。
血液検査、尿検査にそういうものを期待するほうがもともとおかしいってことは、むろんわきまえていますが…
ちがう、そういうのじゃない、ちがうんだ
ああここから先は文筆の領域なのか――
[追記 私が最初に門を叩いた町医者(心療内科)はすでに故人で、以後は医院の名前が変わっていて、先ほど検索でその評判に目を通してみたら、酷いものですね。ひとは入れ替わっても体質は受け継がれていく、みたいな]