VW POLO TSI
VW POLO TSIに乗る機会があったので、インプレッションをレポートしよう。
今回試乗する車は五代目となる2010年式だ。
エンジンは、1.2LSOHC直噴4気筒シングルターボで、ターボのインターセプトは1900rpmくらいか。出力は175Nm/4100rpm、 77.2kw(105Ps)と最高出力は抑え気味だが、トルクは十分以上だ。
このエンジン、VWの通例通りアクセルレスポンスはとろい味付けだが、普通に加速する分にはトルクで加速するので十分早い一方、深く踏み込んでも2000rpm前後はキックダウンしないので急加速はできずかったるい印象。これは反面ターボラグを感じさせない技か?急加速を期待しなければ素直に加速しターボラグを感じないので、技術的には電気制御式WGによる効果が出ていると推測する。
乾式7速DSGは直線的に素早くシフトアップしてゆくフィーリングはスポーティで心地よく筆者の好みにはドンピシャだ。このミッションはかなり大きなクレームを出してリコール対象となっているが、なぜかこの車はリコール未実施だった。
ハンドリングはコーナーではオンザレール感覚。コーナー出口で踏み込んで加速する際のトラクションが印象的、速い。
コーナーでのブレーキアクセルによる姿勢変化は少ないが、後輪が穏やかに流れるので扱いやすいが、速いけど余りワクワクしない。
ステアリングフィールは素直だが、中央付近は甘い感じ。履いていたタイヤは、ピレッリP1。中国製かEU製かは確認できなかったが、接地感も有って中々良い印相だったが、この甘い感じはタイヤによるものかもしれない。
乗り心地は、スムースな路面では良好。小さな段差やうねりはきれいに吸収する一方、日本の路面に多いパッチワークの様な路面補修の部分、大型車に踏み荒らされた轍の粗れた路面、マンホールの凸凹は車体ごと大きく突き上げられ、短いホィールベースも相まってのピッチングし煽られて不安定になる。バネが絶対的に固く跳ねる感じで疲れるので、この車が多く使われるであろうタウンユースは案外苦手だ。
燃費は満タン法で11.2km/l。1/3くらい高速があったのでまあまあのレベル。
コースティング制御は入っていないが、アクセルをオフした時の空走感が転がり完が軽く心地よい。
室内の広さは前席は不足なく十分だが、ドライビングポジションはステアリングがペダルとシートに対して明らかに車両中央側にオフセットしており、運転し難い訳では無いが、結構違和感を感じる。
後席は、最近のBセグ車としてまあ十分のレベル。但し、センタートンネルがあり後席中央に大人が乗るのは厳しく実質4人乗り。リアドアは広く開き、ドアは小さいが、シートの角が落としてあるので、大人でも足抜き性が良いので乗降性は良好。
トランクは小さいが、60cm×90cmの板が収まる広さ、歩行補助用の手押し車がちょうど治ったので、この車の用途としては十分か。
この車は外観的にも最新のものと大きく変わらず旧さを感じさせない。基本的な部分はよく出来ており、中古車の価格もこなれているので、Bセグ車で手頃な車を求めている人には有力な候補となるだろう。但しリコールの処理が完了しているかはチェックしておいた方が良いのは言うまでもない。