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学校最初の1週間のはなし

お久しぶりです!
早くも留学をしてから一か月が経過しました。早いーー。
この一か月はかなりいろいろあり、生活に慣れたかと言われると、まだ完全にリズムをつかめてはいないのですが、自分のコミットしたいものを徐々に見つけ始めている、また生活に必要な諸々のものがようやく揃い始めているという状況です。笑

今日ちょうど春学期の日本の大学での成績が出て、無事みんなと同じタイミングで進級できそうでホッとしています。34単位本当に大変だったなー。。

もう二、三週間前の話になりますが、新学期最初はオリエンテーションウィークから始まったので、そのときの話から振り返ろうと思います。
いろんな国からやってきた留学生が一堂に会して、レクリエーションをしたり、BBQや島に遊びに行ったりするという一週間です。かなり疲れますが、その分たくさんの人たちと交流できて楽しい時間でした。

入学式セレモニー

よく留学に行くと自分の国のことをもっとちゃんと知ろうって思うという話がありますが、まさにその通りで、色んな国からみた日本とか日本人というのを考えさせられました。
日本の文化とかも勿論そうですが、世界中の大学からくる留学生との会話は、どちらかというと政治や哲学、文学、歴史などアカデミックな話題が多かった印象。特になぜか大学のシステムの関係で、別に専門分野でもない人文科学の学部でのオリエンテーションに参加したため、哲学や文学の話題が多くて苦労しました笑。

変なハットをつけてのBBQ。ホットドッグしか出なかったけど楽しかった!
超パンク系のバンドフェス、

留学生の出身の比率はドイツが一番多く、ドイツといえばとにかく哲学者が多いので、哲学に関する話題が必然的に多くなります、、。(官僚制とかのウェーバー、ヒトラー独裁を正当化したシュミット、存在論を唱えたハイデガー、、。絶対に試験が終わったら一生使わないと思っていた知識が思わぬところで役に立つことを痛感。)

大学の図書館。ソファー席とか個室とかもあり、気分に合わせて勉強できます。

また、ドイツ人の友人とは歴史の話をすることもあり、特に戦争についての話題は同じ敗戦国として話になることがあります。その友人は中国人がフラットメイトでその中国人の子と歴史について話している際、日本に対するネガティブな印象を語っていたそうで、日本は中国について歴史教育でどのように扱っていて、中国人をどのように思っているのか、と聞かれることもありました。日本と中国の関係を話し始めると、漢字とかそういったところからの話になってしまいますが、日本の歴史教育という話から中国についてこう思っているとか、特に戦争についてはこう語られていたという説明をすると少し驚かれます。
日本の大学で春学期にナチの司法追及についての授業をとっていたのですが、ドイツでは歴史教育で戦争について語る際、ナチの犯罪性というのは絶対的悪として語られ、他の事例と決して比較することのできない、二度と許されることはない最悪な出来事として習うそうです。これは例えばナチの行為に関して、比喩を用いたり、フィクションの文学に落とし込むだけで、批判が止まないレベルで、絶対に何かに変えることのできない残虐なものだと教えられるということです。また歴史教育ではこのナチの残虐性にかなりの比重を置かれて、広い視野での分析は少ないと彼は言います。この文化は欧州全体に強く根付いていて、彼らは人権という概念に特に強い意識を持っています。だからこそ、日本の歴史教育は彼らからするとギャップを感じるようです。
まあ実際の中国に対するイメージは、歴史というより、現在の観光客とかのマナーの印象の方が強いけど。(でも、僕が会った中国人の友達たちはみんなすごく優秀でいい人たちばかりです!そもそも留学に来る人が日本よりもかなり母数が少なくて、めっちゃ優秀じゃないと行けないっぽい。)

島に遊びに行ったとき。天気がよかった!
モルックみたいなゲームで遊びました。

他にも全体的に欧州から来る人が多かったです。またアメリカから来る人も結構いて、ここでもまたアメリカの選挙の話になったりしました。以前アメリカ政治の授業で、高学歴は全体的に民主党支持にまわる傾向みたいなのも知りましたが、やっぱり僕が話した友達も、トランプを肯定する人は一人もいませんでした。特に、司法においては最高裁では共和党優位の人事が続いており、これに対する不満も強かった印象があります。
それにしてもUCLAから来たとかすごいなー、、。しかも19歳笑。

友人とここでハンバーガーを食べました。オペラ座なんですが斜面で寝っ転がることができます。
晴れた日のオペラ座。2008年に完成したので綺麗です。日本の出光興産が沢山出資したとか。

政治学専攻のイギリス人の友達と話していた安全保障の話も印象に残っています。日本の自民党一強の政治体制がイギリスからみると愚かに見えるそうです。確かにそんな話で自民党議員と対談して詰めるBBCのインタビュアーがいたりしたなーと思い出したり、また最近政権交代が起こったイギリスからみると、政治においては変化こそが希望なのかなと感じたりしました。実際、イギリスのEU離脱に関して彼はsilly thingと言っており、誰も望んではいなかったと現在の状況を悲観しています。
その国の公共交通機関に乗ってみると、何だかその国の裕福度とか、国民性が何となくわかるなーと僕は勝手に思っていて、ロンドンに二年ほど前に訪れた時は、地下鉄駅の外側は荘厳で綺麗な造りの一方、電車の中は走行中に電気が消えたり、椅子が驚くくらい硬かったり、落ちている新聞を回し読みしている人々がいたり、何となく暗い印象を受けたのを覚えています。街並みは綺麗ですが、社会の内部は分断と対立を相している国の現状なのかもしれません。EU離脱はその象徴的出来事だと学んだことがありますが、日本もある意味同じような岐路に立っているのかもしれません。

さてここまでは内政の話ですが、そこから日本の安全保障の話になり、彼は日本のアメリカを追随する防衛体制を明確に批判して、戦争を引き起こそうとしている体制だと指摘します。(しかも怖いのが、これをアメリカ人の友達がいる前で発言していたことです。イギリスは日本やアメリカと違い、NATOの協調性を大事にしてまたロシアの状況を伺いながら防衛体制を作っていると何かけんか腰に言っていました。何というかイギリス人のプライドの高さとかアメリカ嫌いな部分を少し感じました笑)
まあ国によってはこんな発言をされたら口論になるのかもしれませんが、日本人らしいというのか、僕の返事もふーんくらいのものだったと思います、。というのもゼミでもアメリカについていく体制が正しいのかは議論になるものであったし、実際入ゼミ課題の小論文でそんなこと書いた気もするなーとも思ったので、あながち間違ってもいないのかもなと、世界からみた日本というものを受け入れてみようと思いました。

これもノルウェーに留学したかった理由の一つになるかもですが、日本の、特に僕が所属している大学は、国際政治や安全保障の授業において、リアリズムで、大国の取り巻く政治を中心に理解することがほとんどで、従って日本の正しい道とは、アメリカに追随すること以外ありえないという風潮が強いです。一方でノルウェーは国の考え方としてリベラルが強く、街中に当たり前にレインボーフラッグがたてられていたり、大学には駅の目の前にパレスチナ支援団体のテントがあったりして、アメリカ絶対主義の国ではありません。(商業的な部分にも表れていて、マックやスタバも探す方が難しいくらい少なく、アメリカ流の資本主義はあまり浸透していない印象です。)今回のイギリス人の話も然り、アメリカの考え方を絶対としない人たちの話をきくことも新鮮で、日本だけで学ぶよりも広い見方ができるのではないかなーと思ったりします。

大学のパレスチナテント。パレスチナのチラシは普通の飲食店のトイレとかにも貼ってあります。
スタバのメニュー。ラテtall1000円、フラペチーノ1200円くらいです。これは物価が高い国というのもありますが、他の街中にあるカフェと比べてもダントツで高いです(普通コーヒー300円程度)。店舗の数も少ないですし、お客さんもかなり少なく、アメリカ系のチェーン店はそんなに浸透していないようです。

さて、何だか小難しい話を長々と書いてきましたが、最近一つとても大事なことを学んだので、最後に残したいと思います。
それは、「食事は大事」ということです。笑

ものすごく当たり前のことですし、この三週間ほど、しっかり栄養をとった自炊もしてきましたが、思えばほとんどがパンやパスタでした(海外のスーパーを回るとどうしてもパスタとかが材料的に楽なんです、)
しかし、三週間目に入り、部活や課外活動にも出ている中で、天気が悪い一週間が続き、風邪が悪化して、週末にかけて、一歩も歩けないし一口も食べられない状態になりました。
日本にいたときは、多少体調を崩しても、薬でごまかして活動することができたんですが、免疫のない風邪をもらったのか、全く動けなくなり、そこではじめて日本から持参した素麺を死ぬ気で開封して口に入れました。
標高が高い位置に暮らしていることもあり、低気圧のめまいで死ぬかと思ったのですが、そばで支えてくれる人がいたことや、親と電話をしたことで何とか乗り越えることができました。(本当にしんどすぎて何度も号泣した)
ここで初めて食生活の大切さを実感しました。僕はどこまでいっても日本人で、胃袋にはいつも米と茶がありました笑。それがいきなりほとんどの日を小麦にすり替えることを身体が受け付けるはずもなく、完全にギブアップをしてしまったようです。

それ以降はアジアンスーパーで手に入れた米を使いながら、和食を中心に生活しています。醤油や味噌で調理をする日本料理は、本当に味に深みがあって美味しいなと日々感動しています笑。
次回は授業や部活、カフェでボランティアもしているのでその様子を書こうと思いますが、そうやって日常を頑張る一方で、自分に合った食生活を保つことは優先しなければならないと、常に心に留めておきたいところです。

回鍋肉とスープ
米しか勝たんです。
醤油を入れた肉じゃがは病み上がりに沁みたー。

ではまた!


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