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【詩】助走の距離

ずっとにじり下がってきた
この距離の向こうに
あなたが見える

想いを抱えたまま
あなたからは
遠ざかってきた

思い込みに
勘違いに
微かな望みに

縋り続ける
不安に押され

あなたの幻が壊れる
怖さに押され

にじり下がってきた

あなたがいいのか
あなたしかいないのか
だれでもかまわないのか
そんなことも考えた道のり

あなたの日常に紛れてはならない
わたしの日常に招いてはならない

だから

あなたの視界から
わたしを
外そうとした

わたしの視界からも
あなたを
外そうとした

そうして
わたしが手にしたものは

叶えるつもりのない恋

今、そこにいるあなたとは
決して繋がることのない
完璧な片想い

日常に招いてしまったのは
あなたの幻

想い続けるという殻の中に
閉じこもり

その殻の中で
膝を抱え込むような日々

積み重ねる日常が
わたしを
あなたの幻の虜にする

あなたの幻が
わたしを
殻の中に閉じ込める

日常がわたしの枷だった

だから

日常を振り切って
現実のあなたに会いに行く

この現実の世界で
あなたの体温を感じに行く

にじり下がってきた
この距離を
あなたに飛び込む
助走の距離に変えて







この詩の背景となった思いを、つらつら同じタイトルの雑記に綴っています。近々、公表予定(今夜かも?)。少し前と今の気持ちをまとめてみようと思います。




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