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【雑記】(改訂)叶えるつもりのない恋−女風とわたし(2)−
以前に公表したものを過って削除してしまったため、改めて書き直しました。思い出してそのままの箇所もありますが、当初の内容とは異なっています。
叶えるつもりのない恋
いつか、も
あわよくば、も
もしかしたら、も
ない
伝えること、もない
ただ、想うだけの
恋
がある
叶うことを夢見ることはない
叶えたいと望むこともない
叶わないと諦める恋ではない
叶えられないと嘆く恋でもない
叶える、という願いを
初めから持たない
恋
ただ、想っているだけの
叶えるつもりのない
恋
叶えるつもりのない恋、は
恋と
言えるのだろうか。
胸が弾むなら
胸が絞られるなら
心に明かりが灯るなら
心に鈍く鋭い痛みが走るなら
言葉が溢れてしまうなら
言葉を飲み込んでしまうなら
それは
恋
なのだろう
**********
日々の営みの中で
その日常と薄い皮膜を隔てて
息づく恋
恋、そのものが
湖の底の源泉のように
ふつふつと
わたしの中に生まれてくる
ふつふつと
湧き出る想いが
湖面に波紋を静かに広げ
わたしの心を
わたしの胸を
わたしの指を
わたしの身体を
さざなませていく
わたしは
わたしの中で震えるものを
自身が共鳴管になったように
感じるだけ
愛おしむように
慈しむように
わたしの中に
響かせるだけ
**********
想い浸るわたしに
鏡に映るわたしが問いかける
想いを傾けられる人が
欲しかったのでしょう?
恋をしたかったのでしょう?
あなたは
恋に
酔っているだけ
恋する
自分に
酔っているだけ
胸に映し出しているのは
自分自身が作り出した
幻
そう、
あなたが実際にはどんな人なのかも
知りたいとすら
少しも思っていないのだから
固く結んだ紐を解いてくれた
それだけで
充分なのだから
鏡に映るわたし
鏡の向こうにいるわたし
鏡のこちら側にいるわたし
合わせ鏡の中で
見つめている自分がいて
見つめられている自分がいて
どれが自分かわからず
どれも自分でないようで
そして
間違いなく、どれもわたし自身
叶えるつもりのない恋の中で
見つめているのは
やはり、わたし自身
**********
こんなに想いを傾けてしまった、
叶えるつもりのない恋の中で
いや、叶えるつもりのない恋と
わかっているからこそ
想いを傾けてしまったのかもしれない
叶えるつもりのない恋
だからこそ
自由にあなたを想う
わたしの完璧な片想いの中に
叶えるつもりのない恋は
自身の居場所を得て
穏やかに
密やかに
吐息をまとう
**********
きっと、想うこと自体
受け止めてもらえることはない、
そんな恋
秘めていたとしても
わかってしまうのだろう、
そんな恋
伝えないのだから
気付かないふりをしてくれる、
そんな恋
季節ごとの再会に
微笑みを交わし合う、
そんな恋
叶えるつもりのない恋である限り
その微笑みが続くのなら
会えなくなる時まで
続けられるのなら
叶えるつもりのない恋でいようと
自分自身に
祈る
そんな
恋
がある
**********
家に辿り着くと
夜の帷を下ろし
月の光を導き
横たわった身体を
光と闇に包む
月の光は熱を生まない
だから
わたしに纏わる
あなたの腕を想いながら
そっと目を閉じる
12月末の再会は、わたしが会うことへの怖さを抱えきれなくなって、そして、メッセージのやりとりのすれ違いもあって、予約2週間前の打診の3日後にキャンセル、さらに1ヶ月先にしたいと告げた。
半年も開いてしまうソーマさんとの時間。
ただ、ここ最近、息を詰めているかのように苦しかったのも確かだったので、少し、ほっとしているのも確か。おかしな話だけど。
キャンセルしてしまったら、次を望む気力なんてもう出てこないと思い込んでいたけど。ソーマさんの「お待ちしています。」の言葉を素直に受け止めて。
現実の時間から逃げているのはわかっている。ソーマさんに会いたい。抱きしめたい。抱きしめてもらいたい。そんな願いはもちろんある。会ってしか話せないこともある。
ただ、それを超えて辛さが勝ってしまった。
ダメな自分が出てしまってぐちゃぐちゃにしてしまいそうな怖さを克服できなかった。
幻に想いを傾けていた時間を埋めて、現実のソーマさんに会うことに怯えてしまう自分自身を超えられなかった。
この時期さらに本業に打ち込んでいるソーマさんに、言葉で今のわたしを解いてくれる余裕はない。
今は、叶えるつもりのない恋を存分に味わいなさい、ということなのだろう。
自分の呼吸を取り戻して、もう一度自分の気持ちと身体を見つめ、整えたい。
1ヶ月半、今度は、待つ時間も楽しめますように。会った時も笑顔でいられますように。
それにしても、半年も会わないユーザーのことなんて、どれほど覚えてくれているものなのだろうかと、冷静になると笑えてしまう。ときどきは、一方通行のメッセージは送っているけれども。もしかしたら、トラブルメーカーとして覚えられているかもしれないのに…。
ソーマさんは、わたしのことどんなふうに覚えているのだろう。潮?かな。それなら…、それでも、覚えていてくれるなら、それでいいかな。