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lazy_planet
【詩】思い出(No.19)
思い出に縋りたいほど
今が苦しいわけではなく
思い出に支えられたいほど
今が悲しいわけではなく
思い出を蘇らせたいほど
今が辛いわけではなく
思い出に浸りたくなるほど
今が虚しいわけではなく
思い出が要らなくなるほど
今に絶望しているわけでもない
ただ、
そこにある思い出を
思い出のまま受け止めるには
もっと時間が流れる
必要があるということ
わたしの中にいるあなたを
思い出の中に手放す
時間が必要ということ
今は、まだ、
どんなふうに送り出したらいいのか
どんなふうにしたら
そのままに送り届けられるのか
見つけられないだけ
わたしの最後の願いが叶えられたら
あなたがいなくなった
空っぽの心の中に
雨を降らせてもいいでしょうか
フォロワーの“ミズノさん”が、自らの執筆テーマにとりあげた「100のお題」。
選んだ言葉たちが面白くて、これって絶対自分では思いつかないやつ(笑)というのもあって、“いっちょかみ”することにしました。
タイトルの番号は、「100のお題」の番号です。