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【詩】言葉の隣
わたしたちは
互いに
送り合う言葉が
足りなくて
飛び出してしまった言葉が
隣の空白を見つめているのに
そこに言葉を
送り出せずにいる
隣の言葉が
待ちわびている言葉
隣の言葉が
微笑みかけるはずだった言葉
息を弾ませながら
微笑み返すはずだった言葉
言葉の隣の空白が
罠のように
わたしを捕らえる
飲み込んだ言葉に
苛まれ
届かない言葉に
焦がれ
わたしの夜が
更ける
大晦日の夕刻、ソーマさんから、ひょっこりメッセージが届いた。
わたしからは、会うはずだった日に年末の挨拶を送っていた。三が日が過ぎるまで送りませんというメッセージとともに。いつものように既読が付いただけだった。だから、送らないと伝えていた期間中にメッセージを送ってくれたことに驚いた。
嬉しくてどきどきしながらメッセージを開けると、年末に関西のある街に来ていたこと、急だったので知らせなかったこと、そして、「どちらにしても急には無理ですよね?」と。
関西に来ていたのは、おそらく、わたしがキャンセルしたころ。打診が通っていたらその日も近かったし、キャンセルした後だったら、声を掛けにくかっただろう。
キャンセル後、一度だけ「会いたい」と送ってしまったので(送信直後、「無視してください」とお願いした)、気に掛けてくれたのかもしれない。
営業だったとしたら、全く意味のないメッセージ(笑)
キャンセルの時に、1ヶ月後の日程で都合がわかれば教えて欲しいけどムリですよね、とわたしから送っていたので、その“お返し”かなと思うほど。
とりあえず、覚えてくれているんだな、と安堵した。
それにしても、「どちらにしても急には無理ですよね?」って、何でソーマさんがこじらせているのだろう。しかも、こんな大晦日に、過ぎたことを思い付いたように送ってきて…。
ソーマさんも少しは会いたい気持ちがあるのかな。そんなこと夢想してもいいのかな。
あっ、単に、急なときは無理なんだからお知らせしません通達なのかも(笑)。でも、そうだったら、わざわざ送ってこないか…。
それとも、何も考えてなくて、天然で仕掛けてくる人なのか(これに軍配かな)。
たった一言に、延々と思いを巡らせてしまう。ソーマさんの言動ひとつで揺れ動いてしまう。わたしの時間がソーマさん一色になってしまう。
こんな爆弾を、年越しの挨拶代わりに送ってくるなんて。また、罠に掛けられました。