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【連作詩】解の儀式−ほどく、とく−

〈連作詩一〉 ざわざわの形3

髪をほどく
紐をほどく

ほどく指からは
ありのままの姿がこぼれ出る

謎をとく
封印をとく

呪文の言葉からは
真実の姿が解き放たれる

わたしの紐は、ほどかれよう
わたしの封印は、とかれよう

戒めに縛られた
わたしの心は
どのようにほどかれるのか
どんな呪文でとかれるのか

揺らぐ灯りの中で
あなたの指が触れるのを
あなたの言葉が届くのを

わたしは
静かに、待つ




〈連作詩一〉 ざわざわの形
1 彷徨
2 痛みの形
3 解の儀式−ほどく、とく−
4 教えてください
5 灯火
6 ざわざわの形

ざわざわが生み出した言葉の欠片かけらたちが、いつやら、5つの詩の断片となり、やがて、5つの詩がほぼ同時に形になりました。

何だか、五つ子を産み落とした気持ちになって。

同じ時間のなかで生み出した5つの詩と、「痛みの形」でのコメントを読む中で、この詩で向き合えていないものがあると感じて追加した、テーマと同じタイトルの詩を、「〈連作詩一〉 ざわざわの形」として、金曜日の夜、ひとつずつお届けします。

今夜は、3回目の金曜日です。



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