シェア
わたしたちは 互いに 送り合う言葉が 足りなくて 飛び出してしまった言葉が 隣の空白を見つ…
あなたが あちこちに置き続けた たくさんの言葉たち 限界があるからこそ 形になった言葉たち…
言葉をください 嘘でもいいから あなたの言葉は あなた自身だから それは、あなたの眼差し そ…
〈連作詩一〉 ざわざわの形1 仮の姿に 嘘の言葉に 真実はひとかけらもないとしたら 形ある…
ときはなそうとしたのは このからだだったのに ほどきたかったのは このこころなのに いつの…
葦舟で届く手紙は いつも 真っ白で 初めのころは 言葉が流れてしまったのだろうかと 思い悩み…
行間を読め、と 語られないものが そこにあるかのように 教えられた 行間は単なる空白でなく すでに何かに満たされていて 何かが隠れていて 溢れ出すのを 見つけ出されるのを待っている 今までは 何の疑いもなかった 言葉と言葉の奇跡的な連なりは 愛撫のように わたしを誘ってきたから だけど どうしても埋まらないものがあるのだ わたしが音にしたい言葉 文字にしたい言葉 しぐさで表したい言葉 その言葉と言葉の僅かな隙間は まるで 宇宙に瞬く 星々の距離のよう 互いのこと
わたしのポストは 湖の中 配達員は 向こう岸から 手紙を葦舟に乗せて 送り出す 葦舟は 月の…
ほんのすこし むかしのこと 見つけて欲しいから 隠れてみた 誂えたような窪みに すっぽり収…
月から零れ落ちる 沈黙の雫を 貴女にあげよう 貴女は その雫を 言葉の帳に 挟み込み わたし…
わたしの言葉たちは 調子に乗りすぎたようで 貴方の周りを ぴょんぴょん飛び跳ねながら 貴方…
わたしに なぜ 詩が降りてきたのだろう わたしは 誰に向けて 詩を届けようとしているのだろう…
この世界は 欠落からできていて 記憶や 言葉や 命の証が モザイクのように 埋め込まれ ひょ…
Cirさんの「はじめまして」に寄せて きみは なんて魔法を使うんだい 目覚めたらさ 僕の部屋は 床がトランポリンになったみたいに なにもかもひっくり返ってるんだ おかしいな 昨日までは 角を揃えて取り澄ましていた本たちも しなやかにハンガーに手を通していた服たちも 僕を静かに見守ってくれていた写真たちも 勝手気ままに転がって 寝そべって 賑やかに笑い声をたてているんだ おかしいよ もう きみの魔法はいたずらが過ぎるんだ だから 今日だけは 約束を破ってもい