【感想詩】眼差し ビクトル・エリセ監督「瞳をとじて」に寄せて
わたしはアナ、と
瞳をとじてつぶやき
心の奥深くにしまい込んだ
もう会うことがかなわない
面影を浮かべる
幼いころ
精霊を呼び出すために
心に刻んだ祈り
わたしに会いに来てくれると願い
わたしを
ここから連れ出してくれると願い
何度もその祈りを虚しく漂わせ
願うことすら
時間の重みの底に沈んでいたのに
懐かしい面影は、その願いを
ぷかりと浮かび上がらせる
暗い闇の中から
息を次ぐように
空気の粒のようにぷかりと
だけど、目の前にいるのに
やはり
あなたは銀幕の中