ロスター確認&FA/ドラフト注目選手 OL編
FAになる人たち
Justin McCray、Scott Quessenberry
第2週から先発となったScott Quessenberry。プレシーズンや初めて先発デビューしたブロンコス戦はランブロックがけっこう良かったので「イケる!」と思ったんですが、勘違いでした。パスプロも良くなかったし。サック数(7回)も、サック、QBヒット、ハリーを足した総プレッシャー数(36回)も全センターで最悪の数字です。再契約はありえない。
CもGもできるバックアップのJustin McCrayもFAになります。この人も良くなかった。コーチ一新してちょうどいいタイミングだし代わりを探してほしい。
残る人たち
C
Justin Brittは1試合だけ出た後にreserve/non-football illness listに入ったままでした。休んでいるのは精神的な理由じゃないかと想像してます。もしかしたら、引退するかも。そうでなくとも来シーズンテキサンズにはいないと思います、リリースしたら赤字どころか3ミリオン浮くので。Cできる人を新しく探してもらいましょう。
G
Kenyon GreenとA.J.Cannがいるのでとりあえず先発は残ってます。
Kenyon Greenはレイダース戦で肩を怪我するまでは悪くなかったです。後半はヒザの怪我もあったので、1年目の不調はあまり心配してません。ウソ、ちょっと心配。2022ドラフトのiOLで特に若い(2001年生まれ)ので今後の成長に期待します。
A.J.Cannは総合的な実力はリーグ平均のスタータークラス。プルしたときの力強いブロックは期待通りでした。パスプロはちょっと注文つけたいところ。強いDL相手(イーグルス、コマンダーズ)に互角以上に戦えていると思えば、そうでもない相手に2サック許したりでした。とはいえ流動的だったテキサンズのiOLで唯一1000スナップ以上プレイしてますし、ロスターの穴埋めとしては補強は成功でした。
2023年のCannのキャップヒットは6.2ミリオン(2022年は2.8ミリオン)、全然高値じゃないです。一応4.2ミリオン浮くのでリリースの候補ではあります。ただテキサンズはお財布に余裕があるので先発級の選手を手放すのは反対です。とりあえず来シーズンは続投させつつ、後任が育てられたらと思います。
T
ここも先発2枚の契約が来シーズンも残ってるのでひとまず安泰。問題は長期的にどういうプランを考えているか。
Laremy Tunsilはテキサンズで最もオフェンススナップに参加した選手(1061スナップ)、そして唯一のプロボウラー。先日PFFが発表した2022シーズンのNFLトップ101プレイヤーで35位でした。テキサンズからリスト入りしたのはTunsilだけ。
PFFによるパスプロのグレードは全OLでトップの91.7、許したプレッシャー数をもとに算出されるパスプロのレーティングはLTでトップの98.6。なぜオールプロに選ばれていないのか。選出方法が間違ってる。
Tunsilの今年のキャップヒットは35ミリオン。リーグ全体で7番目、LTとしてはもちろんQB以外では最も高額です。これはここ2年のキャップヒットを抑えるため最終年にしわ寄せが及んだから。キャップに余裕があるため35ミリオンのヒットも問題なく受け入れられます。
僕は2023年もテキサンズでプレイしてほしいですし、なんなら2024年以降もずっといてほしいと思ってます。僕がTunsilの契約延長について知ってることは「チームとの交渉が始まってる」のと「LTとして最高額を望んでいる」の2つ。もう1年契約残ってますけど、チームにいずれ契約を結ぶつもりがあるならできるだけ早くしてほしいです。今オフ先に契約した同じポジションの選手を引き合いされると面倒ですし。
チーフスのOrlando Brownが昨年のオフに6年139ミリオン(30.25ミリオンのサインボーナス)のオファーを蹴って、現在交渉中です。たぶんBrownは保証を高くしたいんだと思います(レギュラーシーズンイマイチだったくせにプレーオフのプレイは完璧だったからBrownの主張は通りやすいでしょう、面倒な奴)
新契約の予想をするつもりでしたけど、長くなりそうなのでまた今度。
Tytus Howardはパスプロは中の上、ランブロックはイマイチ。相変わらず(たぶんこれからもずっと)パワー不足ですが、RTとしてはリーグ平均かそれよりちょっと上くらいの選手と見てます。緊急時はLTもLGもできる汎用性、健康面に問題はなく、素行は良好の今年27歳。
49ers流のランオフェンスは今季のテキサンズのとは違いますけど、プレイサイドのTのブロックは重要なはず。うまくハマるかどうか。契約更新するかは最後の1年かけてじっくり考えていけばいいと思います。
Charlie HeckはHowardと同じでパスプロ>ランブロックの右タックル。パワー不足なところも同じ。Howardと違うのはほぼRT専用な点。HowardがLGをプレイしてた2試合でRTのスターターやっていましたが、正式に先発を任せるにはランブロックが悪いです。バックアップならLTもやってほしいところ。たぶん今年が最後。
6巡ルーキーAustin Deculusは今のところスペシャルチーマー。
ニーズ
全体的にデプスが薄い。強いチームには良いOLが7人は必要と言われます。それだけ怪我はつきものでバックアップの重要性が高いということなんでしょう。今いる良いOLは…3人かな、たぶん。
Cの先発は絶対必要。控えも欲しいです。GはCannにもう1年スターターを任せるにしても控えは必要。リリースするなら当然埋め合わせの即戦力も必要。Tの先発は安泰ですけど層が薄いのでテコ入れは必須です。
新OCのBobby Slowikがやろうとしているオフェンスが49ersのワイドゾーンスキームなら、OLに求める資質は機動力。横に動きながらブロックできなきゃだし、フットワークも大事。DLやLBをそれぞれブロックできるのは当然として、コンビネーションブロックする機会が多いのでDLに当たってからLBを取りにいけないと。
注目のFA選手
まずはCから。シーズン中にも触れたとおりFAで注目しているのはブラウンズのEthan Pocic。まだ27歳、スタメンが怪我したので先発に昇格、安定したプレイでNick Chubbのランを支えていました。チームの契約状況からしてブラウンズは再契約しないはず。
あとは、OLでなくてもいいですが「49ers流」に慣れた選手は優先度が高いです。そういう意味で49ersのJake Brendelは最適のはず。今季はキャリア初先発ながら開幕戦からプレーオフまで20試合すべてでプレイしてます。ジェッツのConnor McGovernもいいかもです。チームのOCだったMike LaFleurは49ersのパスゲームコーディネーターでした。
Gはあんまりピンとくる選手がいないです。49ersのRG Daniel Brunskillは良いかも。Kyle Shanahanのもとで3年間でおよそ3000スナップもプレイしていて、LT以外はどこでもこなせる汎用性の高さがあります。
カーディナルスのWill Hernandezはケガは問題なさそう。来季はほぼ最低賃金で契約できると思います。
Ben PowersもDalton Risnerも先発級ですけど求めているタイプとは違う気がします。
TはLTのバックアップ、コルツのMatt Pryor。動きが重そうですが、C以外の4つのポジションでプレイ経験があります。この人もめちゃくちゃ安く雇えそう。新OLコーチのChris StrausserはコルツでOLコーチをやっていたのでPryorと顔見知りなのは良いですね。問題児を掴まされるリスクは避けられますし。
注目のドラフト選手
今年のiOLのプロスペクトはちょっと寂しいです。開幕戦から先発できる選手を探すのは難しそうです。
CはミネソタのJohn Michael Schmitz(6-4、320lbs、通称JMS)はけっこう好きです。一言で表すとテクニシャンって感じ。うまく体を入れ替えて、ブロックしにくい位置のDLをとりきったり。コンボブロックでスムーズに受け渡してLBまであがってるときとか「え、うまっ!」って声が出ちゃいました。パスプロのときは視野が広く、遅れて入ってくるブリッツやDTとクロスしたDEに対応できます。笛が鳴るまでプレイを続ける姿勢も好きです。
懸念はバランスを崩しやすい点、あまり高くなさそうな身体能力、(上手いけど)圧倒的な印象は無いところ、Cしかプレイできないこと、今年で24歳、あたりです。タイマンでラッシュ止められるのか?という懸念はありますけど、シニアボウルを見る限りは大丈夫そう。
早ければ1巡候補と言われてます。33位でスルーしたら3巡には残ってないと思います。でもFAで補強できそうなポジションなだけに2巡を使うのはためらいがあります。
お気に入り、というかちょっと気になる程度ですがウィスコンシンのJoe Tippmann。6-6、317lbsとTみたいな体格のCです。Next Gen Statsがやたら評価してるんですよねぇ。デカくてパワフルで動けるのはいいんですが、ひんぱんにバランスを崩すのが気になります。JMSと違って荒削りですね。将来性を買って、控えでじっくり育てたら化けるかもと思ってます。わずかですがGの経験があります。そっちで育てるのもありかもしれません。
↓ドカーン!!
Gは注目してた選手がシーズン後半やシニアボウルで低調でした。Gへコンバートしたら面白そう、と考えてる選手はいます。
Cody Mauch(ノースダコタステート、6-6、301lbs)はカレッジではLTでしたが、パスプロや腕の長さに難があるためiOLに転向したほうが成功すると見られています。実際シニアボウルではLGとC(とRT)でプレイしましたし、どのポジションでもドラフト候補たちを圧倒していました。
非常に機動力が高いランブロッカーで、斜めや横のすばやい動きでLBやDBを捉えられます。大型のDLを正面から仰向けに倒すようなパワーはありませんが、ぶつかるときの角度や体捌きが上手く、有利なポジションを確保するのが得意です。ボディバランスも非常に良い。来季から増えるであろうゾーンブロック向けのOLです。
Mauchは本当に好きな選手ですし、チームに合ってると思います。指名しなかったら2年後に後悔するぞCaserio。
今年のTは高順位が豊作です。特にLTを探してるチームはラッキーだと思います。1巡で指名されると思うLTをあげます。
ノースウェスタンのPeter Skoronskiはサイズの懸念(6-4、294lbs)があってもなお1巡確実なほど総合的にハイレベルな選手です。先輩のRashawn Slaterも背が低かったですが、ルーキーでプロボウルに選ばれました。SkoronskiもSlaterのようにトップ15で指名されるべきだと思います。
オハイオステートのParis Johnson Jr.はLT経験が1年のみですが理想的なサイズ(6-6、310lbs)にパスプロ時のクイックネスとランブロック時のパワーを兼ね備えており、ポテンシャルはトップです。
ジョージアのBroderick Jonesはコンバインが楽しみなOLです。身体能力が高く、反応も速いです。態勢を崩された後のリカバリーも速い。レベルの高いカンファレンスでエリートパスラッシャーと対戦していますが、この2年間1300以上のスナップで許したサックは2回だけです(2022年は0サック)
オクラホマのAnton Harrisonはランブロックよりパスプロが得意なモダンなLTです。身体能力ではなくテクニックで相手をコントロールします。横の動きがスムーズ。スピードとパワー、どちらのタイプのパスラッシャーにも対応できます。
4人ともよっぽどのことが起きなければ2日目には残らないと思ってます。タイタンズは高確率でLT指名すると思うので優先度が低いけどLTも研究してました。良い選手ばかりですねぇ…でもやっぱりTunsilクラスの選手ってそうそう現れないですよね。4年94ミリオン(56ミリオン保証)とかでまとまらないかな。
LTの指名はバックアップ兼2年目以降の先発RGとしてMauchを指名してくれたら嬉しいです、3巡に残ってくれ頼む。来年以降は「Tunsilと契約延長できたら良し、できなくても2024ドラフトには今年より楽しみなLTがいるのでそれもまた良し」です。
お気に入り枠はオハイオステートの大巨人RT Dawand Jonesです。6-8、360 ポンドの巨体。中継を見ていても何かがおかしいと思うくらいのスケールで、NFLでも稀有なサイズです。史上稀に見るほど長いウィングスパンで確実に先手を取れます。腕力も強いのでファーストコンタクトでDEがすっ転ぶことも。サイズの割にフットワークが軽く、一歩目で出遅れることもないです。ちゃんとRBが走りやすいコース取りをするあたりも好感が持てます。
懸念点はNFL級のスピードラッシュの対応。先発に昇格してからの2年間でパスプロは着実に向上しましたが、スピードや切り返しに追いつこうとしてバランスを崩すことがあります。他には汎用性(LTができるかわからないしGは向いてない)やヒザの負担、重い体重が気になります。
ニーズに合っているかは微妙です。あくまでお気に入り。
↓欲しい
↓Tの腕の長さって騒がれるほど重要じゃないと思ってますけど、ここまでリーチがあると立派な武器ですね。
↓おまけ。高校時代はバスケもやってました。
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